その後、自分で1年考えて出てきた結論は、
「知るということは根本的にガンの告知だ」ということでした。
学生には、
「君たちだってガンになることがある。 ガンになって、治療法がなくて、あと半年の命と言われることがある。 そうしたら、あそこで咲いている桜は違って見えるだろう」
と話してみます。
この話は非常にわかり易いようで、学生にも通じる。
それぐらいのイマジネーションは彼らだって持っている。
その桜が違って見えた段階で、
去年までどういう思いであの桜を見ていたかを考えてみろ。
だぶん、思い出せない。
では、桜が変わったか。そうではない。
それは自分が変わったということに過ぎない。
知ることというのはそういうことなんです。
知ることというのは、自分がガラッと変わることです。
したがって、世界がまったく変わってしまう。
それが昨日までと殆ど同じ世界でも。
★バカの壁/養老猛司★
■自分で読んだわけではなくて、博士の悪童日記から。
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