宿題

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2003年03月01日(土) 杉浦茂 自伝と回想/杉浦茂
さてわれわれの談笑が、ひと区切りついた時だ。

突然岩月君は「失敬するよ」と言ったかと思うと、われわれにクルリと背を向け、

御飯蒸し器から冷やめしを丼に叩きつけ、ヤカンの水をガバーッと掛け、

ザブザブと食い始めたのであった。おかずは福神漬だけであった。

やがて食べ終わるや、ボーンと丼を放り投げ、クルリとこちら向きになるや、

「失敬」と言ったのには驚いた。


吉祥寺の平屋建ての貸家に越すことになった。

その日私は早速手伝いに行った。

さて当日、私は彼の大机を一番奥の八畳間に無造作に置いたのであった。

どうせあとで、彼が好きな位置に置き直すだろうと思ったからだ。

(1週間後、新居を訪ねると)

あにはからんや、彼は机には全く手を触れてはいなかった。

つまり光線の入る廊下と窓から全く離れた、デタラメな、

しかも斜めの位置に置かれたままになっているのだ。

ここで、私は彼の無雑作、無神経ぶりに。改めて感心させられたのであった。

それでも尚、私が「机の上が暗くて具合がわるいだろう」と言ったところ、

彼は「べつに…」と言って煙草の煙を吐くのであった。


■この後、

……ここに改めて、岩月、加藤、両君の冥福を祈る。

と締め括られます。
書き出しは、

―ここで私は、仕事の上で、私への応援、協力を惜しまなかった、
今は亡き二人の親友の事を書きとめたい―

とかなってるのに、杉浦さんが書くと「二人の親友」という章も
こうなるんだなぁと。

あと日野日出志さんや湯村輝彦さんの絵が好きだった、というのも
なんだか良い話、と思いました。

マリ |MAIL






















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