私が同い年だって感じたのは、松尾さんで二人目だったんですよ。
宮崎勤が捕まったときに、
「私が捕まるのかと思ってたのに、あ、私じゃない人が捕まった」
っていうくらいに思った時期があって。
別に私は殺してないし、いたずらもなにもしていないんだけど、
「私のような人なんじゃないか」っていう得体の知れない恐怖感があった。
その次に「同い年だ」って感じたのが、松尾さんだったんですけどね(笑)。
最初(業音の)本を読んだとき「松尾さん、誰に喧嘩売ってんだろう」
ってちょっと思ったんです。
だったらがんばって「何と喧嘩するのか知らないけど、何かと闘いましょうや」
っていう気持ちではあったんですよね。
おかしかったですよね、
松尾さんが裸でステージから転がり落ちていたじゃないですか。
初日に偶然落ちちゃって、そのうち止まれるようになったらしいんですけど、そのまま、落ちてました。
でも、自然に任せて落ちない日もあったんです。
「松尾さん、これ、松尾さんのテロですよね」と言っていながら、みっともない感じがして、面白かったんです。
いや、面白いって言ったら変ですけど、悲しくもあり……。
★ユリイカ 総特集 松尾スズキ/片桐はいり★
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