公平、ポケットから硬球を出して。
公平「これに『普通』って書いてもらえます?」
美礼「え?」
公平「特に意味はないんスけど(カウンターに)すいませーん、マジック!」
リーゼントの店長、マジックをスッと出す。ボールに字を書く美礼先生。
美礼「普通、でいいのね」
公平「なんかすいません」
◇
バンビ「で、よくよく考えたら『死ぬ死ぬ団』ってのは正直...ないなって結論に達したわけ」
公平「なんで、いいじゃん『死ぬ死ぬ団』」
バンビ「もっとこう、キャッチーな名前にしようって、なあ」
アニ「死ぬ死ぬ団じゃモテねえし、なあ」
マスター「それに考えたら、死ぬのぶっさんだけじゃん」
公平「...サラっとヒドいこと言うなよ」
◇
バンビ「ぶっさんて意外と金にきたねえんだよな」
◇
美礼先生、震える手で手帳を開く。
『復習リスト平成13年度3学期』
生徒の名前が多数書かれている。
五十嵐イチコの欄、『殺』という字があと2画で出来上がる状態。さらに1個付け足す。
美礼「...あとひとつ、あとひとつ」
◇
中年男「実はその...リストラされて1年になるんですが」
猫田「...おう」
中年男「気づいたら1千万近く借金作っちゃって、なんかもう、何もやる気が起きなくて」
猫田「働いてねえのか」
中年男「働く...ああ、働くね。そういう発想はなかったなぁ。」
★木更津キャッツアイ/宮藤官九郎★
|