○プラシーヴォ○
目次|←どうして?|それから?→
ドアを開けた瞬間、 なんか、違う。
と漠然と思った。
朝9時、こんな時間にママもパパもいないなんて なんだか変。
整理好きのママが、こんなに中途半端に部屋をちらかして いくことだって、滅多にないことだし…
…とりあえず、肩からスノボの荷物を降ろして 洗濯物を出そうとした瞬間、 パパから電話がかかってきた
「おばあちゃんが亡くなった 今から迎えにいくから 喪服を着て待っていなさい」
お葬式をするたびに思う
お経を呼んだり、焼香をしたりする私達を
「もう、私はそんなとこにはいないのよ そんな抜け殻を囲んで 大袈裟なことしないでよ」
と、故人がカラカラと笑って 空から見ているような気がしてしょうがない
私が、今日何時頃スノボから戻って来るか分からなかったので おばあちゃんの襟元に 私の写真をはさんでおいてくれたそうだ
おばあちゃん、それ持っていってね そして、私の子供に見せてね おばあちゃんの曾孫だよ
何もかも終わったのが17時ころ ハム男に電話した
「今から、家に帰るんだけど」 「だから?」
なかなか、自分から言い出せない 上記の会話を5回くらい繰り返した後、 ハム男が根負けして口に出した
「…俺に迎えに来いってこと?」
苦笑まじりの、あきれたような声
「俺、もう買い物して晩御飯つくるとこなんだ」
じゃあいいよ
と言って、返事を待たずに電話を切る
晩御飯や 眠気や サッカーに
私は負けっぱなし
悔しくて
しばらく電話に出てやるもんか!と 思うんだけど
どうせこの怒りは続かないんだろうなあ、とも 思ったりする
そんな自分が嫌になる
怒ってるのに ハム男の声が聞きたくて電話にでるから すごい無愛想な応対をすることになる
もっともっと怒りたい
一週間くらい音信不通になってハム男を心配させたい
ドラえもん、 何か出してよ
|