○プラシーヴォ○
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2000年02月05日(土) 八方美人

ハム男が私にアプローチしているのと同時進行で、
Tくんという彼も、私を一生懸命誘ってくれていた。

同じコンパに来ていたのだが、
ハム男とそんなに親密ではないらしく、
お互い、私のことを好きなのは全く知らないみたいだった。

Tくんと御飯を食べることになった。
話してても、あまり楽しくなく、なんだか気疲れする人だった。

店を出て、駅に向かって歩いていると、
途中の公園で立ち止まって
「付き合ってほしい」
と言われた。

そんな気はサラサラなかったけど、
「考えさせて」
と、とても嬉しそうに返事をしてしまった。
私の気の弱さと、ズルさが噴出。

その瞬間、携帯が震えているのに気がついた。
「ああ・・・よかった・・・。もう電話にでてくれないかと思った」
ハム男の泣きそうな声。
「・・・泣いてるの?」
「泣くよお。だって、昼間からずっとかけてるのに
がちゃ子ちゃん全然出てくれないんだもん。
今度、出てくれなかったらもうあきらめようと思ってたんだ・・・
あああ、本当によかった・・・」

不覚にも胸がキュンとなってしまった。
ごめんねハム男。心配させて。

電話を切った後、Tくんが
「ハム男くんとも連絡とってるの・・・?」
「あ、うん。明日遊びに行くの」
「ハム男くんが、自分から女の子に連絡するなんて
めったにないことだよ。・・・本気なのかなあ」

え、そうなの?


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