○プラシーヴォ○
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雨だった
京都にでも行くつもりだったが、 雨でクソ寒い京都に そう親しくない男といくのもちょっぴり辛いものがある
待ち合わせ場所に、 ハム男が先に来ていた。
ああ、そうだ、あんな顔だった となんとなく思い出した。
逢って、第一声が
「ここの窓、俺が取り付けたんだ」
この町では有名な待ち合わせ場所 その建物を指さして エッヘン、と笑う
雨をしのぐ意味で、水族館に行くことになった。
私は、付き合った男と必ずと言っていいほどその水族館に デートに行ったので、もうこれで4回目くらいだ。
すいすいと先頭に立って案内する私を見て
「がちゃ子ちゃん・・・ここ来たことあるの?」 「え?!あ・・うん・・・できたばっかりの頃に1回だけね!」
ごめんねハム男。 初の嘘
カラオケに行くと、 ハム男は恋の歌ばかりを 唄っていた
私はひたすら気がつかないフリをしていた。
だって、Mちゃんがハム男のことを好きなんだもん。 だって、私はKくんのことが好きなんだもん。 ハム男と会おうと思ったのも、 ハム男と友達になっておけば、ハム男つながりで そのうちKくんと会えると思ったんだもん。
でも、 この心地よさは なんだろう
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