○プラシーヴォ○
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仕事がら、 見知らぬ電話番号が、かかってくるのは慣れていた。
今回も、少しためらいつつ携帯をとる。
「あ、こんばんは。ハム男です!」 「…どおも〜、こんばんは〜」
・・・誰?
思わず返事しちゃったけど誰?
「ハム男です。 この間は、どおも。ちゃんと家に帰れた?」
…ああ、そういえばそんな人いたなあ。 (当時の)藤原竜也くんみたいな フワフワの髪型で… う〜ん、名前が思い出せない
「Mちゃんに、がちゃ子ちゃんの電話番号聞いたんだ」
いつのまにMちゃん番号交換してたんや? そして何故私に電話が?
もうすぐ会社に電話がかかってくる用事があったので 事務所の外へ出るわけにもいかず、 ポットやコップがおいてある水屋に隠れるようにして話していた。
事務所の人がニヤニヤと私を見る。
「今、仕事中なんで… すんません」
と、あっさりと電話を切った ああ、びっくり
その後すぐ、Mちゃんから電話が・・・ 「ごめん。さっきハム男くんから電話があって・・・ がちゃ子の電話番号教えちゃって・・・」
「ああ!かかってきたよ。気にしないで」
「・・・デートとかするの?誘われたの?」
あれ? あれれ?
短大以来、Mちゃんと4年の付き合いになる私にはわかった。 この話し方。 この言いたい事を我慢するような話し方は・・・
Mちゃんはハム男が好きなんだ!
「う・・・ううん!世間話!全然普通の話! あの調子だともう2度とかかってこないね!」
「・・・そう」 ほらほらほらほらほら! このホッとした声! そっかあ、Mちゃんたら・・・。
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