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■ M女のねじれた幸福
彼女は「犬」である〜10〜
「りりだけのいはらだと思い込んでいるふしがある。それは幸せをうむのか」
よく読む。
ノックダウンしたアタマで何度も反芻してみる。
りりだけのいはらだと思っているかぎりは幸せにはなれない、というのだな。
いはらを独占しようとしないほうが幸せになれる、というわけか。
どういう思考回路に持ち込めば、ストレートに幸せになれる方法が見つかるだろうか。
ノーマルな女は、相手の男を独占できることと幸福とが直結している。
わたしらM女は必ずしもそうではなく、ひとひねりもふたひねりも屈折した思考回路を有する。
まずS男氏が何を以って幸福とするかが最優先される。
S男氏の欲望や満足度が充たされることが、M女の幸福である。
直接的に自分のカラダを使ってS男氏の欲望を充足しようとするのは、「縛ってなんぼ」のご近所SMのみなさまがただ。
うらやましいような気もするが、現実性がない。
遠く離れた場所で暮らすわたしたちは、どうしても「頭脳派」にならざるを得ない。
* * * * *
今更ではあるが、自分の家庭について述べる。
めんどくさがりの夫は縄も鞭も使用しないが、わたしに君臨している。
夫は貪欲で、欲しいものもやりたいことも多い。 そのかわり、権力や名誉には見向きもしない。 世間体も気にしない。
仕事、「飲む・打つ・買う」、浪費癖、若くてキレイなおネェちゃん、仕立てのよい洋服、趣味のよい靴やべルト……、誰もが乗りたがるクルマ。
それらはわたしにとって何の苦痛も与えない。 勝手におやりなさいな。
無関心なのではない。 出来る限り夫の言動には注意を払い、彼の意向に沿う努力を惜しまないし、いつでも彼の役に立てる妻でいたい。
それは、そう言われたから、そう行動するのでなく、わたしが望んでしていることだ。
話し合うまでもない。 命令されずともよい。
夫のやりたいことが実現している限り、わたしのやりたいことも必ず実現するからだ。
関心を寄せつつ、不干渉を通す。
世界史でいうところの「モンロー主義」だ。
* * *
いはらの云はんとするところはきっとこれとはいろんな意味で違うのだろう。
が、しかし「わたしの幸福や満足感を、わたしの嫉妬心はさまたげてしまう」という答えなら93点くらいは取れそうだな。
アタマでは、わかるんですけどね……。
感情は処理しきれないまま、もつれにもつれる。
2002年10月05日(土)
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