2009年03月24日(火) |
WBC 日本 二連覇 : 歴史に残る一打 |
「 野球選手が誇りを持ち、威厳を保ち続けることは、とても難しい。
愛と憎しみは、紙一重なのです 」
イチロー ( 日本人メジャーリーガー )
It's very tough for a ballplayer to get proud and keep his dignity. There's not much difference between love and hate.
Ichiro
天才の一振りに、日本中が歓喜した。
それまでの不振は、すべて “ この瞬間 ” のお膳立てだったのか。
私が唯一、ドジャー・スタジアム を訪れたのは、今から溯ること25年も前の1984年、留学中に 「 ドジャース VS ジャイアンツ 」 戦を観たときだ。
折しも、その年は ロサンゼルス・オリンピック が開催されて、正式種目ではなかったが、初めて野球が公開競技として行われ、日本が優勝した。
全選手、アマチュアによるチーム編成だったが、その後、ヤクルトに入った 広沢 や、阪神に入った 和田 らがいて、活躍したことを覚えている。
それでも、まさか25年後に、日本と韓国が野球の世界一を決める試合を、この球場でやるなどとは、夢にも思わなかった。
まぁ、当時は、大相撲の横綱が 「 外国人力士だけ 」 になることも予想していなかったので、どの国の “ 国技 ” かという点は、参考にもならないが。
今大会を通じて感じたのは、各チームの 「 実力 」 よりも 「 仕上がり 」 が勝敗を分け、決勝に進んだ日韓は、調整に優れていたという事実だ。
また、前にも書いたが、短期決戦では技術面よりも精神力、集中力が要求されるため、「 ベースボール 」 を 「 野球 」 が圧倒した印象も強い。
各国とも、名だたる メジャー・リーガー を差し置いて、若手や、国内で活躍する選手たちが奮闘し、溌剌とプレイしていたように思う。
特に韓国は、日本と互角以上の戦いぶりで、双方の 「 平均年棒の差 」 を鑑みれば、実に立派だったと称えざるを得ない。
もし自分が日本人じゃなかったら、間違いなく韓国を応援していたはずで、勝ったとはいえ、日本の選手たちが彼らに見習うべき点は多いだろう。
今日の試合を振り返ると、勝因は 「 運 」 としか言いようがなく、どちら側のチームにも何度か勝機があり、勝敗の行方は紙一重だった。
9回裏、ダルビッシュ が二者連続の四球を与えながら、交代させなかったのも、10回表、好調 片岡 に 代打 川崎 を起用したのも、采配ミスだ。
だが、天才 イチロー の 「 歴史に残る一打 」 が 原 監督 を、そして日本を救い、最終的には覇権を手にしたのだから、それもご愛嬌だろう。
冒頭の イチロー による名言は、移籍した メジャー の選手たちが、古巣の球場で野次られる習慣をどう思うかと、記者に尋ねられたときの回答だ。
昔から 「 運も実力のうち 」 というけれど、不振や、ブーイング の嵐に耐え、自分を見失わず、平常心を保ち続けた天才に、女神は舞い降りたらしい。
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