2009年01月02日(金) |
2009年 : 変革の時代を生き抜く術 |
「 賢者も勇者も、歴史という名の線路の上に横たわって、未来という名の
列車がむざむざ自分を轢いていくのを待つようなことはしない 」
ドワイト・D・アイゼンハワー ( 第34代アメリカ合衆国大統領 )
Neither a wise man nor a brave man lies down on the tracks history to wait for the train of the future to run over him.
Dwight D. Eisenhower
あけましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願い申し上げます。
1954年より大統領職を務めた アイゼンハワー は、平和主義者の両親から生まれるも、軍人としての道を選び、ノルマンディ上陸作戦を指揮した。
冒頭の名言からは、やがて “ 強い アメリカ ” を象徴する大統領と呼ばれ、いまなお多くの信奉者を持つに至った理由が窺える。
過去を振り返って、歴史の教訓に学ぶことも必要だが、あくまでもそれは、未来を生き抜くための一助であり、本来の目的を忘れてはならない。
時代は刻々と変化し、昨日の常識が明日も通用するとはかぎらないので、常に既成のスタイルを見直し、新しい環境に適応する能力が求められる。
揺ぎない意志を持ち、頑なに信念を貫く心意気は大切だが、周囲から浮いてしまっては話にならないし、単なる時代遅れとして葬られるのが オチ だ。
かつて日本という国に最大規模の変革が訪れた機会は、「 明治維新 」 と 「 敗戦 ( 太平洋戦争 ) 」 であり、どちらも “ 外圧 ” に屈した結果だ。
昨年末、アメリカの金融危機に端を発した大不況により、国際通貨 「 ドル 」 の威信が失墜したことは、世界秩序に少なからず影響を及ぼすだろう。
パレスチナでは、ガザ地区に攻撃を仕掛けたイスラエルの 「 やりすぎ 」 に非難が集中しているけれど、これも、その所為だとする見方が強い。
過去、「 ならず者の排除 」 を貫いてきた ブッシュ 政権 の中東政策だが、これほど経済に逼迫した中で、軍備を割き干渉できる状況にはない。
次期 オバマ 政権 が 「 外交重視 」 政策をとるであろうという予測よりも、現実問題としてアメリカ国内の不景気が、中東に波紋を投げかけている。
東西冷戦の時代は、旧ソ連による 「 社会主義経済という実験の失敗 」 で終結したが、今度は、資本主義経済の問題点が浮き彫りになってきた。
無駄を排除し、効率化を目指した従来の価値観が疑われ始め、できるだけ多くの人に仕事を分け与える 「 ワークシェアリング 」 が注目されている。
民主党 小沢 代表 も年頭の挨拶で、非正規労働者の大量失職を鑑みて、打開策の一つに 「 新型 ワークシェアリング 」 の実施を構想に掲げた。
熾烈な競争に勝ち抜き、実力に見合った報酬を獲得するという成果主義の効能が薄れ、ある意味、社会主義へ “ 退行 ” する局面も出てきそうだ。
誰もが仕事に就ける社会は理想だが、その反面、持てる能力を最大限に発揮できない人が現れる危惧は、どうしても避けられないだろう。
昨年の末、2008年を表す漢字として 『 変 』 が選ばれたが、未だ具体的な大きな変革は起きず、意識など、精神的な変化に留まっていたように思う。
今年は、ますます深刻化する不況を背景とした労働環境の大きな変化や、西側陣営の衰退に伴う 「 国際秩序の再構築 」 が起こる可能性も高い。
日本人の好むと好まざるとに関わらず、こうした変化は、グローバル化した世界経済の余波を受けたものなので、避けては通れない流れだ。
これからの変化する時代に求められる柔軟な対応力、環境適応能力とは、多様な才能を身に付け、複数の 「 選択肢 」 を武装することである。
会社が破綻しても、日本経済が衰退しても、活躍する場を失わないように、新たな資格や、外国語を習得するなどして、個性を拡げることが望ましい。
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