2008年12月30日(火) |
日本人にとって、不景気より深刻な問題 |
「 成功者とは、自分に向けて投げつけられたレンガを利用し、
強力な土台を作れる人間だ 」
デビッド・ブリンクリー ( アメリカのジャーナリスト )
A successful man is one who can lay a firm foundation with the bricks others have thrown at him.
David Brinkley
逆境にあっても、それを糧として飛躍できる人間が、必ず存在する。
いちいち落ち込んだり、傷つくばかりでなく、強い心を持ち続けたいものだ。
未曾有の好景気に沸いた昨年末から、たった一年で株価は半減し、急速に円高、ドル安が進み、世間は大不況の様相を呈してきた。
おそらく、いまも90%の人にとっては、所得が減ったわけでも、職を失ったわけでもないはずだが、人々の将来に対する不安は増すばかりだ。
必要以上に不安を煽り、騒ぎたてるマスコミも悪いが、そんな報道を受けて過敏に反応し、右往左往する大衆の方にも、反省すべき点はある。
多くの人は、一昔前、かの ホリエモン に対して 「 守銭奴 」 と罵り、人生は 「 お金がすべてではない 」、「 もっと大切なものがある 」 と悟ったはずだ。
それなのに、不況になった途端、「 お金がなくなったら、この世の終わり 」 のごとく大騒ぎしているようでは、ちょっと矛盾しているのでないか。
一部の宗教家や、運命論者らに言わせると、「 試練は、それを乗り越えられる者にしか訪れない 」 のだそうである。
実際、誰の身の上にも試練は平等に訪れるのだが、知恵や、精神力などによって、誰でも 「 心構え一つで克服できる 」 という教訓なのだろう。
これほどの大不況に陥れば、自殺が増えて当然と仰る人もいるが、過去に日本人は、敗戦、ドルショック、オイルショックなどの危機を経験した。
あるいは、四肢や五感を喪失したり、大病を患っても希望を捨てない人々、災害や事故、犯罪で近親者を亡くしながら、気丈に生きる人も珍しくない。
つまり、逆境に耐えれるかどうかの境目は、どれほどの不幸に見舞われたかではなく、その人に、どれだけ 「 立ち直る力 」 があるかどうかで決まる。
不況や、それに伴う人員削減、政治不信、環境問題など、いま起きている 「 現象面 」 ばかりをマスコミは取り上げるが、問題は別のところにある。
最近の日本人に最も深刻な大問題は、過保護に甘やかすことで精神力が低下し、本来、誰もが持つ 「 立ち直る力 」 が養われ難くなったことだ。
いくら世界が平和でも、どれだけ政治家が真面目に働いたとしても、逆風、逆境は、どこかで必ず訪れるし、永遠に好景気が続くはずもない。
生きている間に、良い時代があれば、悪い時代も来るのは自然の摂理で、すべての人に、どんな環境からでも 「 立ち直る力 」 が求められる。
来年が、どのような年になるのか想像し難いけれど、精神を鍛えた者には案じる必要などなく、そうでない者には、いつまでも明日がみえないだろう。
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