2008年11月24日(月) |
犯人は、精神修養の足りない 「 クレーマー 」 |
「 魚が釣れなかったからといって、海に文句を言うな 」
英語のことわざ
If you cannot catch a fish, do not blame the sea.
English proverb
アル中なのか、精神病なのか、時折、公園で無宿者が奇声をあげている。
政治が悪い、アメリカが悪い、税金の無駄遣いをするなと、叫び声がする。
明らかに、彼は 「 たいした納税をしていない 」 と思われるのだが、与野党の政治家名を連呼しながら、税金の使途について不満をぶちまけている。
一体、彼の過去に何があって、どのような境遇を過ごしてきたのか、私には知る由も無いが、その大部分が 「 自業自得 」 によるものだと想像はつく。
この国の資本主義は、たしかに一部の貧困層をつくるが、かたや、生活に窮する人々に対し、生活保護などの福祉政策、救済策も整備されている。
ところが、生活保護の申請をして受給にこぎつけるまで、何度も役所に足を運んだり、何通もの書類に記載する根気を、彼らは持ち合わせていない。
毎月、税金からお金をもらうのだから、審査が厳しいのは当然だし、そんな僅かな労力も行使せず、「 政治が悪い 」 と世を恨むのは言語道断だ。
先週、世間を騒がせた 「 元厚生次官ら連続殺傷事件 」 の犯人が自首し、その身勝手かつ異常な犯行動機が、徐々に明かされつつある。
もちろん、全貌が解明されたところで、このような性格破綻者の心理など、正常な神経の持ち主には、到底、理解し難いものがあるだろう。
ただ、犯行に及ぶ前から、彼は近所で有名な 「 クレーマー 」 で、なにかと難癖をつけては、執拗に苦情をぶつけていたことに、ヒント がありそうだ。
一昔前の生活困窮者や、精神を病んだ人々には、情けない自分を責め、死を選ぶ傾向が強く、他者への攻撃性を露にする タイプ は少なかった。
ところが最近では、「 こんなに頑張っているのに、なぜ自分だけ辛い思いをするのか 」 と、社会や他人を恨み、刃を向ける タイプ が増えている。
私は、占領軍の意のままに制定され、愛国心に関する表記が抜け落ちた 『 日本国憲法 』 なるものを、改正すべきだという意見を持っている。
この憲法には、たしかに優れた点も多いが、あまりにも個人の自由や権利ばかりが強調され、重要な 「 なにか 」 が欠落しているように思うのだ。
すべて、この憲法が悪いとは言わないが、行き過ぎた個人主義の台頭が、自分本位で物事を考える連中の増加に結びついているような気もする。
また、昨今は自分のしでかしたことを、「 私の責任 」 と言わずに、なんでも 「 心の問題 」 で片付けようとする風潮があり、これにも問題がある。
いくら生活に窮していても、精神を病んでいても、「 自分の結果は、自分で責任をとる 」 という気概を、もっと身につけるべきではないだろうか。
この犯人は、少々、精神に異常なところがあるけれど、学生時代は数学が得意だったというし、けして知能に障害があるわけではない。
彼が決定的に不足しているのは、知能や、一般常識でなく 「 精神修養 」 であり、まるで 「 魂のない人間が、知識だけを擁している 」 ようにみえる。
前回の日記で 『 文武両道 』 について触れたが、勉強だけに励んで 「 武 」 の面が抜け落ちると、年齢相応の精神修養が育まれ難いものだ。
精神修養の出来ていない人間に、生半可な知識だけを武装させることは、切れ味の鋭い刃物を与えるのと同じで、何をしでかすかわからない。
子供のいる方は、ぜひ、何かひとつ、武道かスポーツに取り組ませ、将来、マトモ な大人になるために、精神修養を積ませることが望ましいと思う。
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