Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年11月12日(水) 狂人は口を閉じよ



「 会話のコツは、言うべき時に言うべきことを言うだけではなく、

  言うべきでないことは、たとえ言いたくても言わないことだ 」

                      ドロシー・ネビル ( イギリスの著述家 )

The real art of conversation is not only to say the right thing in the right place but to leave unsaid the wrong thing at the tempting moment.

                                   Dorothy Nevill



頭のおかしな人は、公で発言したり、ブログを書いたりしないほうがよい。

狂気が露呈するばかりか、社会にも悪影響を及ぼす。


兵庫県 の 井戸 敏三 知事 が、「 関東大震災が起きれば チャンス だ 」 と発言したことで、翌日、兵庫県庁 には 350件以上 の批判が殺到した。

本人は、「 関東大震災が起きたら、関西が首都機能を引き受けますという意味で語った 」 と釈明しているが、到底、納得できる回答ではない。

昭和20年、兵庫県揖保郡に生まれた彼は、東大法学部を卒業後、自治省に入省し、平成8年に兵庫県副知事、13年に知事となり、17年に再選した。

彼が副知事となる前年、平成7年の1月17日には、あの 「 阪神大震災 」 が発生しており、この12年間、震災からの復興に、中心的役割を務めてきた。

その立場を鑑みれば、なおのこと、この発言は、尊い生命を失った人々への 「 裏切り 」 であり、「 冒涜 ( ぼうとく ) 」 であると、言わざるを得ない。


この発言に対し、各方面から 「 表現が不適切 」 という批判が続出しているが、この場合、「 不適切 」 という評価自体も、「 不適切 」 なように思う。

本来、発言に対して 「 不適切 」 という評価が下されるのは、その発言が、言葉の誤用など、悪意の無い 「 失言 」 であった場合に限定される。

たとえば、安倍 晋三 氏 が 総理 の頃、民主党 の 管 直人 が 「 安倍 さん の知り合いには “ セフレ ” が多いらしいね 」 と、真顔で記者団に語った。

一瞬、その場の空気が凍ったけれど、すぐに、流行語を使いたがる 管 の 「 セレブ ( 上流層 ) 」 と 「 セフレ ( 愛人 ) 」 の言い間違いと判明した。

あるいは、石原 慎太郎 都知事 が、中国、韓国、北朝鮮の人を 「 三国人 」 と称し波紋を呼んだが、これは、差別用語かどうかの認識違いによる。


こういった、悪意ではない ( 仮に悪意を含んでいても、言い逃れが可能な ) 失言に対しては、それが適切か、不適切か、議論する余地はある。

大阪府 の 橋下 知事 が 「 クソ教育委員会 」 と語った事例も、当事者には屈辱だろうが、大多数の府民が共感している以上、失言で済まされる。

しかし、今回の 井戸 知事 による発言には、「 関西経済の活性化 」 という目論見があり、お金と引き換えに、人命を軽視した “ 大暴論 ” である。

正気で語ったのなら、懲戒免職にすべき重罪であり、狂気であれば、すぐに精神病院へ収容するのが望ましく、いづれにせよ、金輪際、沈黙すべきだ。

言論の自由も 「 程度問題 」 で、公に発言する立場にある者は、定期的に 「 精神鑑定 」 を施し、正気でない輩を排除することが好ましいだろう。






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