Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年10月23日(木) 不況、恐れるに足らず



「 お金で買えないものは、ほとんどありません。

  例外は、幸せと、愛と、自然が与えてくれるすべてのものです 」

                   エリック・W・ジョンソン ( アメリカの作家 )

There is hardly anything you can have without money, except happiness, love, and everything nature gives.

                                Eric W. Johnson



同名の ギタリスト ( Eric Johnson ) もいるが、こちらは別人。

アメリカのユーモア作家として、ご当地では人気がある。


冒頭の名言は、アメリカの少女が 「 お金について書きなさい 」 と言われて書いた作文の一節で、それを ジョンソン が自著で紹介したという。

過日、かの ホリエモン は 「 お金で買えないものはない 」 と言い放ったが、この少女のほうが、かなり “ お利口さん ” のようである。

基本的に、お金で買えるものは 「 安っぽいもの 」 や、「 どうでもいいもの 」 が大半で、価値の高いもの、重要なものは、概ね、お金では買えない。

お金があったら、異性にモテたり、周囲にチヤホヤされるかもしれないが、それでなびくのは、「 安っぽい異性 」 や、「 安っぽい人心 」 のみだ。

真心で接してくれる異性や、親友、それに、健康とか、知力、体力、精神力など、かけがえのない財産は、けして、お金で買えるものではない。


この度の金融危機に端を発した、世界同時不況、株安、円高など、世間は不景気な話題に溢れ、そのせいか、将来に不安を感じる人が増えている。

すぐに処分する予定がないので、あまり実感が沸かないけれど、私自身も、かなりの “ 含み資産 ” が目減りし、相応の損失を被ったのは事実だ。

ただ、恋人や、親友や、健康など 「 お金で買えない貴重なもの 」 を失うことに比べたら、経済的な損失など、たかがしれている。

先日、テレビを観てたら、タレントの 明石屋 さんま が、人生は 「 生きてるだけでまるもうけ 」 と話していたが、まったく、その通りである。

お金が無くて自殺する御仁もいるが、たかが、お金ごときのために、もっと貴重なものを投げ出すなんてことは、愚の骨頂といっても過言ではない。


経済的な尺度から判断し、世間には 「 勝ち組 」、「 負け組 」 がいるとか、最近の日本は 「 格差社会 」 だと言う人がいる。

たしかに、資本主義社会は 「 所得格差 」 を生み出すが、お金があるとか、ないとかで、そんなに 「 格差 」 があるかというと、どうも疑わしい。

たとえば、お金持ちの家を訪ねると、100インチ超の液晶テレビがあって、貧乏な人の家に行くと、旧式の小さなテレビしかない。

しかし、100インチのテレビで観ている 「 お笑い番組 」 は、小型テレビで観る 「 お笑い番組 」 より面白いかといえば、まるで同じである。

同じ番組を、お金持ち向けには豪華な出演者で製作し、貧乏な人向けにはチープな内容で製作しているなんてことは、これから先も無いだろう。


高価な服を着て、高級車でドライブし、高級店で食事をしても、嫌いな女性と過ごす時間は、ただの “ 苦痛 ” でしかない。

逆に、お金をかけなくても、愛する女性が傍にいてくれたなら、それだけで、いくらでも “ 至福の時間 ” を過ごすことができるものだ。

それは誰でも同じはずだが、「 物質的な豊かさ 」 を追求するあまり、その 「 当たり前のこと 」 に、なかなか気付かない御仁が多い。

不景気だから、競争の厳しい社会だから、貧乏だから、幸せになれないと思い込む人や、うつになる人もいるが、けして、そうではないだろう。

見栄や体裁に拘らず、表層の 「 物質的な豊かさ 」 ではなく、穏やかな心で 「 精神的な豊かさ 」 を求めれば、金銭面の悩みなど取るに足りない。


一応、「 経営コンサルタント 」 なんて商売をしているので、お金を儲けたいと望む人には、常に、それなりの助言を与えるように努めている。

本心では、「 お金が最重要ではない 」 と思うけれど、競争に参加するとか、参加している人を勝たせたいという好奇心が強いので、葛藤は無い。

それに、大部分の人が望む 「 お金持ちの基準 」 は低次元で、お金持ちというよりは、せいぜい “ 小銭持ち ” という程度のことが多い。

先日も、「 家内の誕生日だから、奮発して、オーケストラの高価なチケットを買ったよ 」 という人がいたが、そんなものは “ 贅沢 ” といわない。

誕生日には、自宅に 「 弦楽四重奏 」 を招くのが本当のお金持ちで、お金さえ払えば誰でも行けるコンサートなどは、庶民的な愉しみなのである。






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