「 その人を好きか嫌いかを知るのに、一緒に旅をするよりも
確実な方法はない 」
マーク・トウェイン ( 作家 )
There ain't no surer way to find our whether you like people or hate them than to travel together with them.
MARK TWAIN
インフルエンザが大流行中で、病院はどこも大盛況だという。
ただの風邪ではなく重い症状を伴う、厄介な 「 悪い病気 」 である。
当然の話だが、インフルエンザに感染した人が 「 悪い人 」 ではない。
悪いのは 「 病気 」 であり、それに感染した人には何の罪もない。
以前から、私の 「 うつ病嫌い 」 は有名で、この日記上でも何度となく取り上げてきたが、若干、誤解をされている方もいるらしい。
嫌いなのは 「 うつ病 」 であり、「 うつ病患者 」 ではないのだ。
インフルエンザを撲滅したいと願うことが 「 患者への偏見 」 ではないことと同じく、それを 「 うつ病患者への偏見 」 と解釈されるのは間違っている。
カウンセリングの仕事をしていると、「 うつ病 」 で悩む人の相談に乗る機会も多く、当然、それなりの知識は武装している。
面と向かって 「 頑張れ 」 とは言わないし、そういう刺激もしない。
ただ、それは 「 病気への配慮 」 であって、その病気になった人が与えられる 「 権利 」 などではない。
彼らの立場で、すべての他人に要求することなど、できるはずもない。
それを、「 さも当然の権利 」 のごとく押し付けるタイプの人たちは、あまり 「 模範的な病人 」 とはいえず、そう思い込んでいると苦しむことになる。
よほど重傷の人は、専門医を紹介するなり、特別な対処をしている。
そうでない人に人材会社では、我々のような 「 資格を受けたカウンセラー 」 が、本人の自己理解を支援し、就職、転職などの支援をする。
特別に医師から 「 うつ病 」 と判定された人でなくとも、企業を解雇された人や、リストラの不安に怯える人の中には、精神状態の不安定な人も多い。
キャリアに対する不安や葛藤など、「 情緒的問題 」 の解決を支援するためには、まずは 「 心を開かせ、悩みを聞く 」 ことが最初の作業となる。
そんな仕事を、「 落伍者は置き去りにする 」 という世界で働いてきた人間が、こなせるのだろうかという心配もあったが、今のところは順調のようだ。
できるだけ話の腰を折らずに、相手が間違っていると思っても、とりあえず 「 なるほどね 」 と頷きながら、じっくりと真剣に聴く。
それだけは、過去の自分と違うスタンスかもしれないが、それ以外は、以前の自分と同じ姿勢や考え方で、彼らと話をし、解決の糸口を探っている。
基本的に、最低10回は 「 キャリアガイダンス 」 と呼ばれる、学校でいうと授業みたいなことを、マンツーマンで一時間づつ行う。
その後も、就職が決まるまで、一年間の契約期間中は何度でも随時、必要に応じて話し合う機会を持ち、お互いを理解しながら問題を解決していく。
私は、平均よりも早く一線を退いて、セカンドキャリアを 「 引退は、他人のキャリアを支援するスタートでもある 」 という考えから、この仕事を選んだ。
カウンセラーの中には、心の病気を 「 肯定的 」 に扱おうとする人もいる。
どちらが正解だともいえないが、私自身は 「 否定的 」 に捉え、対象となるクライアントと共に、病気をやっつけて、課題を克服しようとしている。
憎むべきは 「 病気 」 であり、それに甘えたり、打ちのめされることなどないように、お互いが 「 戦友 」 として タッグ を組むという考え方だ。
未経験の 「 重傷者 」 には難しいと思うが、すぐにでも就職が可能な状態の人には効果を挙げているし、先輩のカウンセラーからも評価されている。
既にこの方法で、数十名の方を企業に紹介し、正社員の職に就かせた。
彼らと体験する ガイダンス は、一つの 「 旅 」 に似ている。
お互いを深く理解しあい、協力関係を強化しながら、最終の目的地をどこにするのかを決め、そこへ向かう道程を探り、具体的な努力を進めていく。
どの事例も 「 すべて特別 」 なものであり、それぞれの人生に深く関わっていくものだから、一つとして 「 同じ展開 」 などあり得ない。
やりがいはあるし、たいへん興味深く、自分自身の勉強にもなる。
ただ、この仕事だけでは 「 さほど稼げない 」 ので、私のように別に事業をしているとか、年金などの副収入が無い人には、少し厳しい仕事だ。
カウンセラーや精神医にも様々なタイプがあり、ちょっと厄介なのは、以前に別のカウンセラーから、別のカウンセリングを受けている人の場合だ。
それが、優れたカウンセリングならば問題はないが、中には成果の上がらない 「 妙なカウンセリング 」 を受けた人も、数多くいるのが実態だ。
特に 「 うつ病 」 の場合は、「 病気はよくないので、きちんと治しましょう 」 といった前向きな指導を受けた人と、そうではない人が存在する。
あるいは、カウンセラーは間違っていないのだが、本人が曲解して、病気を 「 勲章 」 のようにひけらかし、万能の言い訳に用いる人もいるようだ。
そんな 「 便利な病気 」 などあるはずもなく、完治はせずとも、それを克服し、健康を求める姿勢に導くことこそ、問題解決の第一歩になるだろう。
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