「 幸せとは、健康で記憶力が悪いこと 」
イングリッド・バーグマン ( 女優 )
Happiness is good health and a bad memory.
INGRID BERGMAN
清楚な美貌で一世を風靡した、スウェーデン生まれの国際派女優である。
代表作に 『 カサブランカ 』、『 ガス燈 』、『 追想 』 などがある。
記憶力と幸せの関係については、 ニーチェ も以下の名言を遺している。
「 記憶力が悪いことの利点は、同じよいものを何度も初めてのものとして楽しむことができるということである 」
The advantage of a bad memory is that one enjoys several times the same good things for the first time.
前に観た映画や、お気に入りの小説を繰り返し楽しむのにも、細部に至るまで完璧に覚えているより、ちょっとぐらい忘れているほうが面白い。
そういった純粋な 「 記憶忘れ 」 もあれば、中には一部の政治家みたいに 「 都合の悪いことは意図的に忘れる 」 ような御仁もいるだろう。
この日記を書き始めたのは、「 2002年2月22日 」 である。
つまり、「 丸三年 」 が経過したわけで、最初はすぐに飽きて辞めてしまうのだろうと思っていたけれど、ずいぶん長く続けることができた。
この三年間での大きな変化は、会社を辞め、事業を興したことだろう。
お付き合いをした女性も何人か変わったが、指折り数えてもあまり意味が無いし、一部は 「 政治家的に 」 忘れたい記憶もあったりする。
でも、それで仕事のスタイルが変わったわけでもなく、女性との向き合い方が変わったわけでもないので、進歩も後退もない 「 昔のまま 」 である。
日記の文体や内容については、それを上達とみるのか、退化とみるのかは別として、少しづつ変わってきているように思う。
少し前に、「 昔の日記の方がよかった 」 という厳しいご批判も頂戴したが、なんとなく、その意味はわかる気がする。
たまに ( よっぽど暇なとき ) 過去の日記を読み返したりすると、たしかに 「 そつがない 」 というか 「 害がない 」 ような文章が多い。
同時に、なんとなく 「 優等生ぽい 」 書き方に偏向していたり、誰にともなく 「 気を遣いすぎる 」 ような空々しい文章も目に付く。
おそらく、初期の頃は掲示板など、日記以外のコンテンツも充実させていたし、頑張って更新していたので 「 閲覧者の視線 」 を気にしていたのだろう。
私的な日記でも、ノートにこっそり書くのと、WEBで公開するものは違う。
どちらも自己満足の領域は脱しないが、後者は 「 他人を巻き込んだ自己満足 」 であり、それゆえに制約があったり、周囲を気にすることも必定だ。
今よりアクセス数が多く、また、それを増やそうと努力していた当時の日記は、最近のものよりも 「 その兆候 」 が強かったのではないかと思う。
過去のものほど内容が 「 理想論 」 に近くて、ちょいと 「 奇麗事 」 のような感じがし、最近のものは 「 現実論 」 に則した内容が多いようだ。
比較的に、以前の方が 「 緻密な内容 」 のものが多いのは、日記にかける時間の大小にも関係しており、忙しくなって雑になった点は否めない。
最近は殆ど 「 思いつき 」 で書いているが、以前は事前に書く内容を検討し、場合によっては 「 資料 」 まで準備し、けっこう真剣に書いていた。
毎回、必ず一、二回は読み返し、よほど気に入らなければ全文を削除し、書き直したことさえあったほどだ。
だから、おかしな話だが、自分の書いた日記にも関わらず、過去の日記を読んで 「 へえ、なるほどね 」 などと感心したりするものもあったりする。
論文じゃないんだから、最近の 「 思いつき 」 で書いたもののほうが、日記らしいような気もする。
ひょっとすると、過去の日記と最近のを比べて 「 違和感 」 や 「 矛盾 」 を感じる人がいるかもしれないが、思考や感情はたいして変わらないはずだ。
人生においては、予測のつく出来事と、予想外の出来事が起きるものだ。
偶然におきる予期せぬ出来事からも、自分のキャリアは形成され開発されるものであり、それを大いに活用し、偶然を必然化する努力が求められる。
物事を計画的に推し進めることも大事だが、不測の事態や、変化する状況への柔軟な対応力がなくては、長丁場を乗り切ることが難しい。
だから、「 日記に書いていることが以前と違う 」 点があるとすれば、新しい情報によって考え方が変わったり、意見を変えた部分もあるのだろう。
それを 「 素直 」 と評価してくださるか、「 優柔不断 」 と非難されるのかは読者によって異なるだろうが、できれば良い風に捉えてもらいたい。
三年も続けると思わなかったので、この先のことはあまり考えていない。
毎夜、「 日記に書きたいこと 」 は山のようにあって ネタ には困らないのだが、「 何が相応しいのか 」 という部分で悩むことは多い。
これから忙しくなりそうなので、ちょっと更新が滞ることがあるかもしれいが、読んでくれる人もいるし、書きたいこともあるので、続けたいと思う。
INDEX の上部コメント欄に、「 百本に一本の割合で当たりがあります 」 と書いているのには理由がある。
個人的感想だが、「 百本に一本 」 ぐらいの割合で、「 今夜の日記は満足できる出来栄え 」 と思えるものがあり、一応、その水準を目指している。
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