「 ほんのわずか謙虚だったら、私は申し分なかったんだが 」
テッド・ターナー ( CNN社長 )
If I only had a little humility, I'd be perfect.
TED TURNER
デュアルタイムで観た兄と、再放送でしか観た記憶のない私。
二人揃ってケーブルテレビで、数十年ぶりに 『 隠密剣士 』 を鑑賞した。
兄いわく、「 デュアルタイムで観たときより、映像がキレイな気がする 」 とのことだったが、保存状態が良いか、技術的な処理が施されているのだろう。
あるいは、当時の白黒テレビよりも、受像機が発達したせいかもしれない。
この 『 隠密剣士 』 は、1962年に放映された “ テレビ時代劇 ” で、主演は 『 月光仮面 』 と同じ 大瀬 康一 さん である。
この作品は、空前の 「 忍者ブーム 」 を巻き起こし、当時の子供たちが刀を振り回して、チャンバラごっこに興じるキッカケとなった。
滅多に兄を招くこともないのだが、あまりの懐かしさに驚き、録画して、二人で観ることにしたのだ。
ケーブルテレビで他に観たものは、やはり昔懐かしい 『 ナポレオン・ソロ 』 という、60年代アメリカの “ スパイ活劇シリーズ ” である。
他は、せわしなくチャンネルを変えて、ぼんやりと数十チャンネルを見比べるだけで、これといって観たい番組もなく、あまり役に立っていない。
料金は 月額 ¥ 5,040− ( 税込み ) で、口座から引き落とされる。
若干、もったいない気もするけど、兄に 『 隠密剣士 』 を見せてやれたし、今後、さらに観たい番組が放映される期待もある。
多チャンネルなので、どこかで好きな番組が放映される可能性は高い。
以前、「 NHK の受信料は払わん 」 と日記に書いたが、そのことについて、とある場所の掲示板でお叱りを受けた。
どうやら、世間の良識ある皆様の大部分は 「 きちんと支払っておられる 」 ようで、堂々と 「 ケチって払わない 」 と宣するのは、不行儀なようだ。
たしかに、「 放送法 」 で定められているし、生活に負担となる額でもなく、支払いに応じないことは 「 違法 」 なのかもしれない。
しかしながら、どうしても私には 「 支払うべき理由 」 が見出せず、徴収人をはじめ、いろんな人が説明してくれるのだが、納得のいく話が無い。
それを 「 ケチ 」 だと言われれば、そうかもしれないし、「 難癖 」 をつけていると言われれば、そうではないとも言い切れない。
自慢にできる話でもないが、「 税金 」 はきちんと収めている。
光熱費や電話代などの 「 公共料金 」 も、遅延なく支払っている。
それは、「 法律で決まっているから 」 という理由よりも、支払う目的や意義に賛同できるからであったり、あるいは 「 無いと困るから 」 だったりする。
その点、いくら 「 放送法で決まってますよ 」 と言われても、無くても困らないと思っている NHK に対し、お金を払う理由がわからない。
つまり、これだけはどうしても 「 納得できないので払えない 」 のである。
観てもいない ( チラッとは観たかもしれないが ) 怪しげな アダルトサイト から、ある日突然、法外な 「 料金請求 」 が来たとする。
観てないと断っても、「 いや、絶対に観たはずだ 」 と言われ、挙句の果てには 「 観てなくても、こっちは放送したんだから払え 」 と執拗に督促する。
快く受信料を支払っている皆様には信じられないだろうが、私の持つ NHK の徴収システム の印象は、まさにこんな感じなのである。
ケーブルテレビのように、「 観る、観ない 」 の選択肢が与えられず、納得していないのに 「 国民にとって必要なもの 」 との価値観を押し付けられる。
理由をつけて支払わないことが 「 難癖 」 なのか、その徴収理由こそが 「 難癖 」 なのか、本当に理解が及ばないのである。
それで、私に 「 受信料を支払わなければならない、納得できる理由 」 を説明してくださる方がいれば、考えを改めてもよいと思っていた。
当然、本音としては 「 この不払い理由には確固たる根拠があって、簡単に論破できるものではない 」 という自信があってのことだ。
たとえ裁判になろうと、小泉首相が説明に来ようと、「 私のほうが正しい 」 と主張するつもりだったし、誰にも 「 負けん 」 と自負していた。
それに、私は 「 頑固 」 なところがあり、「 負けん気 」 が強く、一度、こうと思ったら、意地になってでも、なかなか 「 負け 」 を認めないだろう。
なぁに、それに反論するのは 「 主婦の皆さんが集まる掲示板 」 で、この私にとって 「 歯ごたえのある敵 」 にもなるまい・・・と見くびっていた。
ところがいきなり、かなり 「 揺さぶられる意見 」 が返ってきた。
たとえば、「 災害時に24時間、報道する局が他にあるか? 」 という意見。
多チャンネルになったことで、「 他局にない特徴など無いわ 」 と思い込んでいた私にとっては、ちょっと 「 目からウロコ 」 の真実である。
しいて言い返すならば、「 災害の現地では、テレビを見る余裕などない 」 と言えなくもないが、他地域の人々が報道に接することも無意味ではない。
たしかに、ここを突っ込まれると、なかなか反論できない。
それ以上に印象強い意見 ( 先ほどと同じ人から ) は、「 海外との連携 」 という点に関する指摘である。
特に、「 国の動向を海外に流す役割 」 を担っている責任を、「 不要 」 とするのは暴論で、たしかに認めざるを得ない。
まことに悔しいけれど、この勝負 「 私の負け 」 である。
ただ、最後に負け惜しみを言わせていただくならば、NHK に負けたのではなく、私は 「 餡子 さん 」 に負けたのである。
20年間、不払いだった人間が 「 この時期 」 に払うと、かなり天邪鬼な奴だと思われるかもしれないが、今週中には手続きを済ませる予定である。
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