Tonight 今夜の気分
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2005年01月23日(日) 日本経済が悪くなった原因 その一



「 経済学者とは、昨日予言したことがなぜ今日起きなかったのかを

  明日になって知る専門家である 」

                 ローレンス・J・ピーター ( カナダの経営学者 )

An economisut is an expert who will know tomorrow why the things he predicted yesterday didn't happen today.

                            LAWRENCE・J・PETER



小泉首相の施政方針演説は、あまり芳しい内容とは思えなかった。

重要でないとは思わないが、「 郵政民営化 」 中心ではネタ不足だ。


どうみても国民の関心は 「 年金問題 」 や 「 景気対策 」 にあり、具体的な打開策が無いからといって、そこを避けて置き去りにはできない。

対策が無くても、それを優先的に取り組むのだという意思表示だけは示しておかなければ、産業界のみならず大衆の民意も離れてしまう危険がある。

当然のこと、具体案を準備しないで 「 景気対策 」 を語れば、待ってましたとばかりに野党の総攻撃を喰らうだろうが、それでも気にすることはない。

吠える野党議員に対し、「 ほお、では何か妙案があれば教えて下さい 」 と尋ねれば済む話である。

どこを見回しても、すぐに不況から簡単に抜け出せる妙案など見当たらず、誰に委ねたところで、状況が好転するような気配は感じられない。


日本を不況に導いた諸悪の根源は、どう考えても 「 銀行 」 である。

もちろん、政治が悪いとか、それぞれの企業が悪いという見方もできるが、政治も、経済活動も、その根幹は 「 お金 」 が原動力となっている。

日本経済を人の体にたとえるなら、お金は 「 血液 」 のようなものであって、それが正しく適切な場所に行き渡らなければ、具合が悪くなるのも当然だ。

傷口が開いて出血の止まらない所ばかりに、どんどん血液を流し込んだり、必要とする健全な個所に循環させなかったりすると、どうなるだろう。

資金流通のコントロールを担うべき銀行の、過去における誤った判断や、それを正そうともしなかった驕りこそが、「 経済崩壊のA級戦犯 」 である。


最近になってようやく、政府側も彼らの悪行に気づき、政策的に厳しくメスを入れ始めたので、各行の不良債権も減少に転じてきた。

たしかに不良債権が減ると銀行の収支と健全性は改善されるが、それだけで金融機関としての社会的責任が果たせているわけではない。

今後は、過去のように不公正な偏った融資方針を改め、正しく出資先への分析と評価を行うことが求められるのだが、その点が大いに心配である。

なぜなら、彼らの多くは 「 権威主義の象徴 」 みたいな人物が多く、企業や個人の能力には目もくれず、やたらと 「 権威 」 にばかり関心を示す。

あまり個人的には銀行の世話にもなっていないのだが、仕事の関係で彼らと話をしても、出身校やら、資産やら、そんなことばかりを尋ねてくる。


私自身も、「 学歴 」 はとても重要なことだと思う。

ただ、それは出身校がどこかという 「 学校歴 」 のことではない。

たとえ中学しか出ていなくても、社会人になってから立派に勉強している人もいるし、大学を出た頃がピークで、すっかり学ばなくなった人もいる。

それなのに、「 ほぉ、TAKAさんは○○大ですか 」 なんて感心されても、「 あいつは△△大ごときの奴だ 」 なんて話されても、まるで意味がない。

それを諭しても理解できない人物が多いので、わざとこちらから権威を振りかざし、「 ええぃ、頭が高いわっ! 」 とおちょくってやったりすると面白い。


むしろ、一部の地方銀行や、信用金庫みたいなところのほうが、人間的にはバランスのとれた好人物と出会うことがある。

彼らは大手よりも一格下の 「 名も無い中小企業 」 と取引する機会が多いので、企業の知名度には惑わされず、純粋に取引先の分析をしている。

一社に偏向的な融資をすると、連鎖的危機に見舞われるリスクも高いから、こつこつと小口の取引を慎重かつ誠実に行う姿勢が身についている。

もちろん、中小の金融機関にも 「 ダメな人 」 はいるけれど、大手行の陥りがちな 「 権威病 」 に感染している人は、比較的に少ないようだ。

ただし、独立資本が小さいことや、逆風に弱い体質もあってか、現実的には中小の金融機関のほうが、破綻の憂き目に遭っていることは多い。


日本の大手銀行は、どうやら大きな 「 勘違い 」 をしているようだ。

公的資金を導入しても、大手が借金を踏み倒しても、そこから何か教訓を学ぼうという姿勢も、過去に自分達が犯した過ちを反省する動きもない。

預金という 「 人質 」 を盾にし、国が預金者保護をするかぎり、自分たちも安泰であるという 「 特権 」 意識を抱え、妄想に浸っているのではないか。

リストラでもされれば少しは痛みもわかるはずだが、まだまだ他業種に比べれば規模的に甘いし、そこに至った 「 理由 」 を理解する人も少ない。

再就職も 「 権威 」 と 「 コネ 」 でなんとかしようとなさるので、それが通用しない企業さんには、ずいぶん面接での評判は悪いことが多い。


最近、銀行が 「 ローン会社 」 と提携しているケースも目立つ。

カードローンの支払いや借り入れが、銀行のATMで利用できるらしい。

それについて、「 便利で良いなぁ 」 などと呑気に考える人もいるだろうが、実際は、ちょっと問題のある現象ではないだろうか。

銀行は消費者への直接融資を積極的に行わず、ローン会社に投資して、そこから高い金利で貸し付けを行っているのである。

低いプライムレートで融資を受けなかったばかりに破綻する企業や、あるいは個人破産などの元凶にも、銀行のエゴがつながっている可能性は高い。







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