2004年12月30日(木) |
自然のなかで最も弱いもの |
「 人間は一本の葦にすぎない。 自然のなかで最も弱いものだ。
しかし、人間は考える葦である 」
ブレーズ・パスカル ( フランスの科学者、思想家、文学者 )
Man is no more than a reed, the weakest in nature. But he is a thinking reed.
BLAISE PASCAL
年末の土壇場にきて、「 未曾有の大災害 」 がアジア広域を襲った。
いかに津波の脅威が恐ろしいものなのか、初めて知った人も多いだろう。
現在も行方不明者の捜索が続いており、最終的な被害の状況は明らかにされていないが、死傷者の総数は 「 10万人 」 を超える可能性もある。
地球温暖化による異常気象、大地震、季節はずれの台風など、日本国内でも自然災害の被害が多かった一年だが、これほどの災害は類をみない。
今回の津波による被害で、少なくとも40名以上の死者を出した スリランカ 南東の 「 ヤラ 国立公園 」 では、驚くべき報告が伝えられている。
同国立公園には、豹や、数百頭の野生の象が生息していたのだが、奇妙なことに 「 動物の死骸 」 が、まったく発見されないというのだ。
専門家の弁によると、「 動物には天災を感知する能力がある 」 とのことで、彼らは事前に 「 第六感 」 で異変を察知し、危機を逃れたのだという。
それが事実であるならば、人間とは、なんと弱い生き物なのだろう。
火を恐れず、道具を使い、数々の機械を発明し、言葉という ツール を操りながら コミュニケーション を展開し、芸術や文化を創造した。
地球の支配者として君臨し、資源や、他の動物の生態系を管理する。
万物の頂上に輝く 「 王 」 のような存在でありながら、いとも簡単に生命を落とし、災いを予知することも、逃れることもできない。
自然の脅威だけではなく、お互いの争いごとや、瑣末な欲望のために同類を殺し、なかには生きること自体を放棄して、自殺する臆病者までいる。
いかに 「 王 」 のごとく振舞っても、人の生命とは脆いものである。
だからこそ、与えられた生命を大切にし、悔いのない一生であるように努めなければならず、それは、今このときも例外ではない。
パスカル が言うように、人間は弱いけれども 「 考える 」 という能力を他の動植物よりも過分に与えられた存在である。
何事も、十分に考え、そして限りある生命を謳歌するように、自らの意思で積極的に行動することが、責務でもあるし、また楽しみでもある。
この 「 楽しむ 」 という部分が大事で、たとえば 「 食べる 」 という行為にしても、人は 「 生命を維持するため 」 以外に 「 楽しむ 」 という面がある。
仕事も、これと同じである。
毎日を大切に生き、よく考え、悔いの残らないように行動し、それを楽しむ。
たまに、「 仕事は嫌々やって、オフ にだけ楽しむ 」 という人もいるが、なるべくなら、多くの時間を過ごす仕事においても、楽しいほうがいい。
仕事を楽しくする秘訣は、まず、「 成功すること 」 である。
成功すれば、大抵は待遇にも恵まれるし、周囲の期待に応えられ、賞賛を浴びるし、そうでない職場を変革することも、成功者なら可能になる。
いつ、大きな自然災害や、犯罪の被害に遭遇し、命を失うかもしれない。
それでなくても、人の一生とは短いもので、一度しか与えられないせっかくの機会を、十分に楽しまなくてどうするのだ。
仕事に必死で、「 心の満足を求めたり、人生を楽しむ余裕なんてない 」 などと言う人もいるが、けしてそうではないはずだ。
むしろ、「 自分の人生を楽しもうとしない人には、いい仕事ができるはずがない 」 ように私は思う。
被災した死傷者のご冥福を祈ると共に、生きている者の努めとして、仕事と人生を エンジョイ することを、ここに誓う。
( 本日のおさらい )
「 人生は短いからこそ、“ 楽しむ ” ことが大事 」
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