Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2004年11月12日(金) 教育論


「 もしあなたが、自分の子供たちによくなってもらいたければ、今の倍の

 時間を子供たちと過ごし、半分のお金を彼らのために使いなさい 」

            アビゲイル・ヴァン・ブレン ( アメリカのコラムニスト )

If you want your children to turn out well, spend twice as much time

with them, and half as much money on them.

                           ABIGAIL VAN BUREN



アビゲイル・ヴァン・ブレンは、アメリカの人気コラムニストである。

テレビの “ Dear Abby” という人生相談のコーナーで有名になった。


子供に対して 「 何が、最良の教育なのか 」 ということについては、太古の昔から多くの識者が意見を述べているが、なかなか難しいテーマである。

親が規範を示すべきという人もいれば、子供のために良い環境を整えるべきという人もいたりするが、すべてが正解であり、不正解でもあるのだろう。

確率はさておき、親が無くとも立派に育つ場合や、劣悪な環境から身を建て直し、立派な功績を残したという人物も実際に存在する。

あるいは、「 放っときゃいいのに、親が口を挟み過ぎて子を駄目にする 」 ようなケースもあり、どこまでが親の責任なのかという点も難しい。

愛情があろうとなかろうと、方法を間違えては、良い結果が期待できない。


ちなみに私は独身だが、別れた妻との間に一人娘がいる。

仕事が忙しくても、できるだけ会うようにしており、そういう関係だからこそかもしれないが、まあまあ 「 良い関係、良い距離 」 を保っていると思う。

別に喧嘩別れしたわけでもないので、三人で一緒に食事をしたり、近況や将来の夢について話し合う機会も多い。

三人の共通点は、「 誰にも縛られずに、やりたいことをやる 」 という部分で一致しており、過去の経緯についても、それなりに理解は得ているようだ。

苦労をかけたことやら、辛い思いをさせたのではないかと思ったりもするのだが、どちらに似たのか 「 泣き言 」 を吐かない娘なので、助かっている。


血は争えないというが、やはり性格は似るものらしい。

時事問題、社会問題に関しても同じような認識で、「 やや右より 」 といったあたりも共通しているようだ。

よく遊び、よく学び、運動神経に優れ、母親譲りの美貌を携えている。

あまり書くと 「 親ばか 」 になるが、近頃の風潮に流されるばかりではなく、しっかりと自分の考えをもって生きているように評価できる。

周囲から、「 良いお子さんに育てられましたね 」 と誉められたときには、「 育てたのは彼女ですよ 」 と、元奥さんを指差すようにしている。


子育てに関しては、人に偉そうなことを言えた立場でもないのだが、「 自分がハッピーでなければ、子供もハッピーに育て難い 」 のではないかと思う。

我々親子は、お互いに競争をするかのように、それぞれの 「 ハッピー 」 を追求し、それなりの努力や修練を惜しまない 「 良きライバル 」 でもある。

もちろん、自分だけの努力によって成し得たわけではなく、周囲や、そしてなにより家族の協力があったおかげで、自分はハッピーにやってこれた。

それが、純粋に 「 子供のため 」 という目的ではなかったのだけれど、今にして思えば、どうやら 「 良い結果 」 に結びついているような気もする。

愛情とか、お金とか、そういう二極化した問題ばかりでもなく、もう少し複雑で曖昧だけど、親子ならではのコミュニケーションが存在するはずだ。


それを他人に口で説明することは難しく、また、適切でもない。

うまく言えないが、「 親子が持つ共通の遺伝子に語りかける 」 ような形で、手探りで確認しながら前へ進むことが、成功の秘訣かもしれない。

だから、他人が自分と同じことをしたからといって、それが良い結果をもたらすとは限らないわけで、万人に通じる 「 教育論 」 など、私は持っていない。

私の遺伝子が 「 たとえ親子であっても、他人を幸せにするために、自分のすべては犠牲にしない 」 という性質だったので、これで良かったのだろう。

代々、「 滅私奉公 」 という気質を育んできた血流の遺伝子に、そのような語りかけをしたところで、その方の子育てに巧く作用するとは思えない。


そんなわけで、万人に向けた 「 良い教育方法 」 を考えることは難しいが、逆に 「 悪い教育 」 というものは、いくつか考えられる。

世を恨み、世間に背を向けた発言ばかりしたり、すべてを 「 他責 」 にするような生き方をするのは、子供の教育上、とてもマズイだろう。

不遜な態度の子供を指して 「 親の顔が見たい 」 などともらす人もいるが、実際には 「 見なくても想像がつく 」 のである。

お金があるとか、健康がどうかという問題を超えて、そのような親御さんが 「 ハッピー 」 なはずもなく、何かが狂っていたり、病んでいたりする。

嫌なことがあっても、子供の前では情けない顔などせず、世間に八つ当たりしないように生きていくことが、「 親の努め 」 なのかもしれない。


( 本日のおさらい )

「 子供は親の姿を映す鏡 」






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