Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2004年10月10日(日) やらされる人の苦痛


「 金儲けのために、無駄にする時間はない 」

           ジャン・ルイ・アガシ ( アメリカの物理学者、氷河学者 )

I cannot afford to waste my time making money.

                          JEAN LOUIS AGASSIZ



このところ、三つの仕事に就いているので、極めて忙しい。

特に、最近始めた仕事が、一番忙しくて、しかも一番儲からない。


それでも、その仕事を続けている理由は、「 やりがい 」 とか 「 好奇心 」 のような自己満足的な部分と、あるいは 「 自己のスキルアップ 」 が狙いだ。

仕事とは、「 人生においてとても重要だが、手段であって目的ではない 」 というのが私の持論なので、この仕事も一つの 「 手段 」 である。

だから、心身を壊すほど没入するような 「 自己犠牲の精神 」 も必要ないし、儲けたお金を使う間もないほど働くのは、本末転倒というものだろう。

もちろん、長く働く間には、一時的に無理をしなければならない期間やら、過剰な負担を強いられる瞬間があるのは、どんな職業でも避けられない。

問題は、それが 「 当たり前のこと 」 のように続くのか、本来あるべき姿が明確で、健全な労働環境に軌道修正していけるかの違いであろう。


私の友人は総じて、よく働き ( work hard )、よく遊ぶ ( play hard )。

小学校で 「 よく学び、よく遊べ 」 と教えられた通りに実践しているわけで、それぞれに、なかなか優秀である。

同じように激務を体験した人でも、それに耐えて豊かな暮らしを手に入れた人と、耐え切れずに頓挫したり、あるいは精神を病んでしまう人がいる。

天賦の才能や、体力や、精神力の差もあるだろうが、それ以上に、仕事に対するスタンスの違いが、両者の決定的な違いとなっていることが多い。

それは、簡単にいうと 「 やっている 」 か 「 やらされている 」 かの違いだ。


ほとんどの人にとって、仕事をしている時間よりも、趣味に没頭したり、遊んでいる時間のほうが楽しいはずである。

それでも働くのは、生活のために 「 糧を得る 」 必要があるからだろう。

当然の話なのだが、それだけを目的として働くと単なる苦痛にしかならず、人生の中で多くの時間を占める労働が、とても虚しいものとなる。

趣味や遊びとは異なるけれど、その 「 やり方 」 を工夫したり、やりがいや楽しさを見出すことで、仕事からも、ある種の充足感、達成感を得られる。

自分自身の仕事を 「 そういうもの 」 にしている人は、けして無理に仕事を 「 やらされる 」 ことはなく、受身ではなく積極的に 「 やっている 」 ものだ。


だいたい、人に命令されたり、強制的に 「 やらされる 」 と嫌なものであるが、それは 「 命令される側 」 にも問題のある場合が多い。

常にやるべきことを自覚していれば、指示や命令が発動される前に、自発的に 「 既にやっている 」 わけで、あらためて「 やらされる 」 必要も無い。

仕事に無気力、無関心だったり、気配りに欠けていたり、行動を開始するのが遅い人のほうが、いちいち指示されたり、「 やらされる 」 場面が多い。

逆に、「 この人は、なにも指示しなくても、ちゃんとやっている 」 と思われているような人には、あまり細かい指示や命令を下さないものである。

だから、働いた時間や、結果としての仕事量は同じでも、「 やっている人 」 への評価は高く、「 やらされている人 」 よりは、ストレスも少ない。


あまり好きな言葉ではないが、「 勝ち組、負け組 」 という言葉がある。

だいたい 「 勝ち組の個人 」 は 「 やっている人 」 で、「 やらされている人 」 は 「 負け組の個人 」 となる。

仕事以外の面でも、そういう人は 「 うまくいかない原因 」、「 不幸な原因 」 を他人に求め、つねに上司や、政府など 「 上の組織 」 のせいにする。

ずっと 「 やらされている 」 ことにばかり慣れて来たので、自分自身が何を成すべきかよりも、上からの 「 良い命令 」 を待っているのである。

他人まかせの人生で、世の愚痴を吐き続けるよりも、工夫して楽しみながら働き、お金を貯めてまた遊ぶのが、人生に対する 「 私の流儀 」 である。


( 本日のおさらい )

「 指示待ち人間は愚痴ばかり 」






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