Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2004年08月02日(月) 心の病


病気になることは 「 罪悪 」 ではなく、誰から責められるものでもない。

しかし、故意に 「 病原菌を撒き散らす 」 のは、犯罪行為にあたるだろう。


雅子さまのご病状が 「 適応障害 」 と発表された途端、まるで 「 水を得た魚 」 の如く、はしゃぎ始めた輩がいる。

一つは 「 アンチ皇室派 」 と目される連中で、もう一つは、「 人格障害者のサイト管理人 」 である。

前者は、戦前と違って 「 思想の自由 」 が保証されているのだから、個人的には不快な考えだが、だからといって 「 処罰の対象 」 にはならない。

後者についても、「 ともに治療に励みましょう 」 とか、そういった建設的で、前向きな意見が語られているのであれば、何の問題もない。

どんな病気でも、それに偏見を持ったり、なんらかの迫害を加えることは、けして正しい行いではないのである。


同じ人間でも、健康なときだけではなく、病に伏せるときもあり、いまの自分よりも弱い人間を庇ったり、いたわる心を持つことは、とても大事なことだ。

ただし、「 病人 」 だからといって、なにもかも許されるわけではない。

病に苦悩する人が、いたわりや庇護を求めることは、ごく自然で正当な行為だが、それを武器にして他人を貶めたり、汚染を広げてはならない。

このたび、雅子さまが 「 心の病 」 に悩まれているからといって、人格障害者が 「 己の矛盾を正当化 」 する材料にするのは、もってのほかである。

彼らにすれば、「 皇室の人間には寛容で、一般の人間には手厳しい 」 と思うかもしれないが、そういうことではない。


雅子さまは、ご自分がご病気であると知ってから、治療に専念され、けして人前で自己主張を述べたり、世間を批判したりはなされていない。

それに対し、ネットにみられる一部の人格障害者は、「 自分が通院しており、病名が、症状がなんであるのか 」 を知っていながら、暴言を垂れ流す。

自分の精神状態が正常でないのだから、その発言にも信念を持てるわけがないのに、恥ずかしげもなく堂々と、他人や社会への批判を繰り返す。

これは、病人が本来は果たすべき療養の責任を放棄し、自らの 「 病原菌 」 を世間に撒き散らしているようなもので、誉めた振る舞いではない。

風邪のウイルスと同じで、健康な心身のものは 「 その菌 」 に感染しないが、なかには抵抗力がなく、「 感染 」 する者がいるかもしれない。


具体的な事例で言うと、社会や家族に理不尽な憎しみを持ち、逆恨みで捨て鉢な批判をしたり、自らの 「 自殺癖 」 を美化するようなサイトがある。

それらは、自殺するような状況に追い込まれていない者が読むと、ただの馬鹿げた戯言だとしか思わないので、なんら社会に害はない。

しかし、ちょっとした躓きで思い悩んでいる者が読めば、感化されたり、安易に自殺への道を辿る手助けとなる危険はある。

別に、心の病気で悩む人が、サイトを公開すること自体には、何の問題もないし、それを排除することを善しとも思わない。

だが、「 他者を攻撃することではなく、自分や、同じ悩みを持つ人々の、ためになる 」 サイトでなければ、社会にとって 「 有害 」 ではないだろうか。


なにも、「 病人は、病人らしくしろ 」 と言っているのではない。

ネットという自由な表現の場を活用して、自分の本心を吐露したり、ストレスを発散することも、けして許されないわけではない。

だが、精神異常者が刃物を振り回して暴れても 「 病気だからいいよ 」 では済まないのと同じで、つじつまの合わない暴論を晒すべきではない。

おそらく、それなりの教育を受けた人間だろうから、我々が読む以上に 「 自分の書いていることは矛盾がある 」 ことも気づいているはずである。

雅子さまの回復に向けてのご闘病は、同じ心の病を持つ人々の励みになる可能性が高いが、自暴自棄な人格障害者のサイトは、逆の影響を投げる。


以前にも書いたが、こういうことは、一人の人格障害者の責任ではなくて、社会全体の価値観、倫理観にこそ、大きな問題があると思う。

つまり、「 書いている人間が悪いというよりも、善悪の判断もつかず、それに同調したり、評価を与えることの問題 」 が、社会を混迷させるのである。

ある特定の人物を、「 おかしな奴 」、「 いかれた奴 」 だと追っ払ったとしても、次から次へと同じような輩は後に続くだろう。

現在、うつ病で 「 自殺 」 を考える人間は、国内で一日に百人にのぼる。

私の論調は、彼らに手厳しいと思われるかもしれないが、彼らの暴挙や、暴論を支持する人間のほうが、けして 「 ため 」 にはなっていないはずだ。


そういうわけで、たとえ雅子さまと病状は似ていても、「 とるべき態度 」 というものが違っていることを、身に覚えのある人は自覚してもらいたい。

話は変わるが、今回の一連の騒動で気になったのは、「 マスコミ、宮内庁の対応 」 である。

けして、隠し立てすることが良いとは言わないが、皇室一家のご病状を 「 適応障害 」 だとか、「 心の病 」 などと公表する時代になったのか。

もちろん私自身も、天皇が 「 神様だ 」 などとは思わないが、皇室を敬い、尊ぶという意識が、だんだんと弱まっている感じがして残念だ。

雅子さまには、公務なぞどうでもよいから、「 愛子さまのお母さん 」 として、早く元気になっていただきたいと、私自身は願っている。






↑押すと答えが出る エンピツ投票ボタン

My追加


 < PAST  INDEX  NEXT >


Oldsoldier TAKA [MAIL]

My追加