今夏は猛暑のようで、各地で 「 観測史上初 」 なんて気温を記録している。
私自身も、ちょっと水分の摂り過ぎで、なんとなく体がだるい感じだ。
この暑さにも 「 プラス面 」 があって、夏の気温が一度上がると、だいたい5.000億円くらいの経済効果に結びつくらしい。
今年は例年に比べると、平均気温が 3.7度くらい暑くなる見通しなので、換算すると、1兆9.000億円規模の経済効果があるということになる。
エアコンはよく売れ、避暑地や、プールはどこも、行楽客で賑わっている。
きっと、ビールや、清涼飲料水などの売上も、伸びているのだろう。
先日、自分自身が一晩で飲んだ清涼飲料水、アルコールなどの量を計算すると、なんと 「 3リットル 」 も飲んだ日があって、ちょいと異常である。
喉が渇くという欲求よりも、体温を下げたいという本能と、爽やかさを求めるあまり、必要以上に 「 何かを飲む 」 という行動に駆り立てられる。
それで、食欲が減退する人は 「 夏バテ 」 になるし、飲み放題、食べ放題という人は、「 夏太り 」 になってしまう。
特に中高年の場合は、「 夏バテしないから健康だ 」 などと油断していると、「 糖尿 」 になってしまったり、思わぬ体調不良を招く恐れもある。
いまさら、スタイルなど気にする歳でもないが、病気になるのも厄介なので、なるべくなら健康で過ごしたいものだ。
体重は変わらないけどお腹が出たなんて人 ( えっ、私? ) も、この時期の食生活に注意を払うことが肝要である。
最近の若い女性には、痩せている人が多いようだ。
けして 「 痩せている 」 のが、「 スタイルが良い 」 のと同義語ではないが、おおかたの女性が理想としている体型を形にすると、「 痩せ型 」 になる。
小さい子供を連れた 「 若いお母さん 」 なども、スッキリと痩せているので、母性的な印象がなく、子供が傍に居なければ、とても母親には見えない。
現代社会における 「 スリムな体型を礼賛する風潮 」 は、成熟や、その先にある老化を拒否するという、「 ナルシスティックな美意識 」 を感じさせる。
老いを潔く受け入れるのではなく、あくまでも若いときのままの姿を保つことに大きな価値をおく社会は、理想郷のようで、どこか不自然な匂いもする。
ちょっと心配なのは、「 拒食症 」 などの摂食障害に陥っている人も多いのではないかという部分である。
一昔前までは、同じ 「 美人 」 や 「 可愛い娘 」 の中にも、ポッチャリとしたタイプや、スレンダーなタイプがあったはずである。
人それぞれ、体質というものがあるだろうし、全員が揃って同じ体型というのは、ちょっと 「 作り物のよう 」 で不気味な気さえする。
個性や価値観、考え方などの多様化が進む中で、逆に女性の体型については、求められる理想像が画一化してきているのかもしれない。
となると、本来の 「 その人にとってベストな、あるべき姿 」 を歪めて、無理をしている人も多いのではないだろうか。
もちろん、欲望のおもむくまま、無尽蔵に食べまくるということが善いわけではないし、食事に関して、ある程度の節制は必要でもある。
ただし、スタイルを気にするあまり、体重や、食べるという自然現象をコントロールしようとして、迷路にはまると 「 摂食障害 」 を起こしやすい。
また、「 強迫性人格障害 」 の合併症として、拒食症になる人も多い。
強迫性人格障害というのは、「 物事には決められた秩序があり、その通りにすることが最良である 」 と、病的に、深く信じ込んでいるタイプである。
食事や日常生活を楽しむことより、「 やり方を維持する 」 ことに注意やエネルギーが注がれ、細部にこだわりすぎて、肝心なことが疎かになりやすい。
女性の体型に、「 これがベスト 」 というものはない。
その人にとって無理なく健康で、自然な笑みが浮かぶような状態こそ最良であり、それはおそらく同じ人物でも、年齢や状態によって変化するものだ。
よほど、体型にこだわらなくてはならない、女優やモデルといった職業の人以外は、自分なりの 「 ベスト 」 があって良いはずである。
昨今の 「 スリム一辺倒 」 という価値観は、男性からみた異性の魅力というより、女性誌などが提唱する 「 女性の自己愛性 」 に依るところが大きい。
あまり太りすぎるのもどうかとは思うが、昨今のように、華奢な 「 枯れ枝 」 みたいな女性ばかりだと、なんだかつまらない気がする。
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