たぶん私がテレビを視聴する時間数は、日本人の平均を下回ると思う。
あえて観ないわけではないが、定期的に観る番組が少ないからであろう。
比較的に欠かさず観ているのは 「 大河ドラマ 」 ぐらいだが、あれは観そこなわないように、うまく工夫されているようだ。
日曜日の夜八時にNHKで放送され、同じ日の夜十時から衛星第二放送、六日後の土曜日午後にはまたNHKでと、同じ回の放送を三度も観れる。
ほとんどは過去に映画化されたり、ドラマ化された作品ばかりであるが、約一年にわたりオンエアされるのだから、とにかく放送量が多い。
量が多いということは、細部にわたって描かれているということなので、映画などでは割愛される些細なエピソードなども楽しめることになる。
逆に、原作や史実にはない 「 取って付けたような話 」 も、場合によっては尺を埋めるために織り込まれてしまうといった事情も存在するようだ。
大河ドラマ以外は観ないのかというと、そんなわけでもない。
ただ、たとえば特定の番組を観たいから早く帰宅するとか、わざわざVTRに録画して観ようとか、そうやって定期的に鑑賞するほどの番組はない。
たまたまテレビをつけた時に面白そうな番組をやっていたら観るし、選局を変えても興味深いものが無ければ観ないといった感じだ。
だから、「 あの番組は面白いね 」 といった番組も、いくつかは思い当たるのだけれど、何曜日だったか、どこの局だったかという記憶が曖昧である。
たまに、曜日も局も覚えておいて、「 さて、観よう 」 とチャンネルを合わせたら、放送時間を勘違いしていて、既に終わっていたりもする。
そんなわけで、連続ドラマの物語などといった話題には参加できないが、巷で評判になっている番組の多くは、たぶん一度くらい観ているだろう。
土曜の夜に放送される 「 Sma・STATION 」 という番組を、ご覧になった方は多いと思う。
メイン・キャスターが人気アイドルグループ 「 SMAP 」 の香取慎吾さんなので、たぶん視聴率的にも高い数字を挙げているのではないだろうか。
この番組は、若年層をターゲットにした新しいニュース番組というポジションを確立しつつあり、他の報道番組よりも解説がわかりやすい。
大人が観るには 「 まわりくどい 」 と感じるかもしれないが、時事問題への予備知識がない人に対しても、今日的な問題をうまく伝えていると思う。
番組の中で、香取氏と共に英語を学ぼうというコーナーがあって、日常的に用いることの多い表現や、海外旅行に役立つ英会話が多く登場する。
このコーナーで紹介される英語表現は、どれも簡単だが、日本人が意外と口に出せないようなものが多く、なかなかオススメである。
つまりは、大学まで英語を学習した日本人が話せず、アメリカの幼稚園児がスラスラと話せるような言葉といえば、伝わりやすいだろう。
日本式の学校教育による英語は中学までにして、高校生以上は、このようなシチュエーションから学ぶスタイルにしたほうが、ずっと役に立つ。
事実、英語の授業は常に満点だったのに、外国人と満足に挨拶も交わせないような人も多く、「 使える英語 」 を教える番組の登場は好ましい。
昨夜の放送を観ていたら、英語のコーナーではないが、前の週に放送した番組の一部に 「 不適切な表現 」 があったとかで、番組中に陳謝していた。
どうやら、「 インスタントラーメンが脳梗塞の原因になる 」 という誤解を招くような表現があったらしく、生産者らに対する謝罪だったようだ。
たしかに、それで即席麺の売上が落ちたりしたらメーカーは困るし、明確な因果関係が立証できないのなら、軽率に放送すべき発言ではない。
ただ、脳梗塞につながるかどうかはわからないが、即席麺が体に良いものと考える人も少ないような気がする。
塩分は多そうだし、あまり栄養価が高いようにも見受けられない。
野菜などを一緒に入れて煮ると良いのだろうが、消費者は、即席麺の長所である 「 手軽さ 」 に魅力を感じることが多く、そこまでする人も少ない。
どんな食品でも同じかもしれないが、偏食すると体に良くないものだ。
兄の友人が大学時代に、約1ヶ月ほど即席麺だけを食べて過ごしたところ、道端で倒れて動けなくなってしまったそうである。
この逸話は摂取量に問題があるので、たぶん、このようなことを書いても、「 日本即席工業協会 」 から叱られることはないと思う。
しかし子供時代の私にとって、この話は強く印象に残っており、即席麺を食べ過ぎると体に良くないのだということを、切実に思い知らされた。
なぜ即席麺だけを食べていたのかというと、お金がなかったことと、即席麺が大好きだったからだそうである。
即席麺の歴史は古く、私の子供時代にもポピュラーな食べ物だった。
大きな変革は、たしか昭和45年前後だと思うが、「 カップヌードル 」 をはじめとするカップ麺の登場である。
それまでの 「 鍋で煮ます 」 から、「 お湯をかけるだけ 」 になった変化は、他の物にたとえるならば、固定電話と携帯電話ぐらいの特徴差を感じた。
価格も従来の即席麺に比べると高かったが、具材も入っているし、お湯のある場所なら野外でも食べられるので、一気に需要は広がったのである。
これこそは、日本が誇る大発明といえるかもしれない。
ちょっと話が脱線したが、ようするに食べ物というのは、毒にもなるし、薬にもなるもので、バランスよく摂取することが肝要であろう。
1ヶ月間を即席麺だけで過ごすと倒れるし、雪山で遭難した人に即席麺を食べさせると命をつなぐことだってある。
逆に、体に良いからといってサプリメント類ばかりを多量に摂取するのも、あまり感心できるものではない。
以前、お付き合いをした女性で、即席麺の罪悪性を説き、サプリメントを神の如く信奉している人がいたけれど、それは間違っているように思う。
どっちも化学的に合成された物に変わりなく、たぶん人間にとっては、自然のものをバランスよく食べることが、一番望ましいのではないだろうか。
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