Tonight 今夜の気分
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2004年02月19日(木) オマーン

スポーツは勝てばいいというものでもなくて、内容の質も問われる。

ワールドカップ一次予選 オマーン戦 は、予想外の苦戦を強いられた。


素人が偉そうに論じれるものでもないが、韓国に 5−0 で敗れているとか、世界ランキングが日本よりも低いと聞いていたので、それは意外だった。

事実、終始優勢に日本側が攻撃を仕掛けていたのだが、肝心の得点には結びつかず、後半のロスタイムに突入後、ようやく辛勝を収めたのである。

それは、日本チームにマズイ面があったのか、あるいはオマーンの選手たちが下馬評を上回る活躍を示したのか、その原因は詳しくわからない。

ただ、「 楽勝 」 と思われた相手にてこずったことで、勝利はしたけれども、これからの戦い方に不安を感じた人も多いのではないだろうか。

あるいは、別の対戦国などが試合を観戦していたとすれば、「 なんだ、日本もたいしたことないじゃん 」 と、脅威を和らげてしまったかもしれない。


技術面については、私ごときの知識で多くを語れないが、日本のサッカーも少し変わってきたように感じるのは、サポーター、観客の反応である。

格下とみなされた相手から点を奪えず前半を終了したとき、観客席の一部からは ブーイング が発せられたという。

以前なら、負けていればともかく、緒戦の中間を同点で折り返した際には、多少の不満はあっても、それなりに健闘を称える人が大部分だった。

良くも悪くも、結果は二の次で、「 頑張っている者は賞賛する 」 というのが代表的日本人気質みたいなものだったが、そこに変化がみられる。

前回のワールドカップで決勝リーグに勝ち進んだことから、観客はプロセスよりも 「 結果 」 を求めるようになり、その期待は大きくなっているのだ。


選手たちにとってはプレッシャーかもしれないが、他人から期待され、結果を出せば、さらに次回はそれ以上の期待を寄せられるものである。

スポーツの世界では、その繰り返しが各自の奮起を高め、全体的な水準を向上させることも周知の事実であり、強くなるために必要な道程といえる。

つまりは、日本のサッカーも草創期を過ぎ、新しい段階に入ったということなのではないだろうか。

オマーンには日本の 「 Jリーグ 」 のようなプロ・リーグがなく、唯一、ゴールキーパーの選手だけが海外のプロチームに所属しているのだという。

単に勝ち負けの問題だけでなく、そういった 「 サッカー後進国 」 に対しては模範的な戦い方を示すことも、強くなった日本チームの使命かもしれない。


ちなみに、オマーンがどこの、どんな国か、ご存知だろうか。

地理的にはサウジアラビアやアラブ首長国連邦の隣に位置し、君主制による政体なので、国王が国家元首をつとめている。

非同盟中立を基本方針とし、中東和平の実現にも積極的に取り組んでいることが知られており、日本とは原油の輸入などを通じ、親交が深い。

以前、アラブ首長国連邦のドバイへ旅行する計画をたてた際に、隣にあるオマーンという国のことを詳しく知らず、調べたことがある。

さして、観光の目玉となるような施設もなく、石油産業に携わる人以外では行き交う日本人も少ないと思われるが、平和的な友好国だという噂だ。


イスラム教が信奉される中東地域においても、国によって世論や国民感情は異なり、必ずしも自由主義社会の敵ではない。

暴君の圧政に苦しみつつ、狂信的、妄信的にテロリズムへ加担する国家を平和的に封じるにも、「 まともな国 」 との親交を深めることは効果的だ。

スポーツと政治に因果関係を求めることは善しとしないが、文化的な交流を通じて、広く世界の国々と仲良くなれることは望ましいと思う。

過去においては、ビジネスサイズの規模や互いの役割が大きな尺度を占めていたように感じるが、これからの世界は、少し変わっていくように思う。

世界には、きっと我々があまり知らない文化や、素敵な人々がたくさんいて、良識ある人々の出会いは、明るい未来の創造につながっていくだろう。


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