「 売れないのは、品物が悪いのではなく、ご自分のせいです 」
: エスティ・ローダー ( 化粧品会社役員 )
If you don't sell, it's not the product that's wrong, it's you.
: ESTEE LAUDER
日本人のビールの年間消費量は、一人あたり 「 大瓶90本弱 」 である。
一位はチェコで、だいたい日本の三倍ぐらいを消費するのだという。
一人あたりの量は世界で二十五位くらいだが、総消費量では世界第五位〜六位くらいの数字となるので、日本は 「 ビール大国 」 といえるだろう。
私自身はウイスキー、ブランデーの類が好きで、ビールやら発泡酒などはあまり好まないのだが、それでも、なにかとビールを飲む機会が多い。
会食や、ちょっとした集まりのときに、まず最初にビールで乾杯することが習慣化されているし、そういうときにビールが無いと、どうも物足りない。
ワインやシャンペンで始まるパーティもあるが、気取らない普段着の集まりや、庶民的な飲み会のほうが圧倒的に多いのだから、まるで量が違う。
個人的な嗜好はともかくとして、日本人の飲食文化にビールというものは、欠かせない存在になっているといえるだろう。
サントリーが8日に発表した03年のビール・発泡酒の販売実績は、前年比7.6%減で、社長曰く、冷夏の影響などもあり、芳しくなかったそうだ。
驚いたことに、サントリーにおけるビール事業の収支というものは、同社が参入して以来、実に 「 40年連続の赤字 」 なのだという。
同社の国内におけるビール・発泡酒のシェアは約10.5%で、それなりのポジションは獲得しているのだが、それが利潤に還元されていないようだ。
たしかに、「 好きなビールの銘柄 」 は人それぞれだが、キリンやアサヒやサッポロを指名する人はいても、サントリーと答える人は少ないように思う。
味に問題があるのか、マーケティング的な要素で失敗しているのか不明だが、大手企業のビジネスとしては、ちょっと無惨な業績ではないだろうか。
日本には、「 石の上にも三年 」 という諺があり、つらくても根気よく辛抱すれば必ず成功するという教えになっている。
西洋にも、「 Perseverance will always win in the end. = 最後にはいつも忍耐が勝つ 」 という言葉があり、だいたい同じような意味で使われている。
しかしながら、三年ならともかく 「 40年連続の赤字 」 というのは、忍耐の限度においても、ビジネスの常識から考えても、尋常ではない。
サントリーは今年、悲願の黒字化に向けて、積極的に新商品の投入をはかるそうで、赤字体質に甘んじて妥協したり、勝負を捨ててはいないようだ。
彼らの健闘にエールを贈るが、過去の敗北を知るならば 「 冷夏の影響 」 なんて釈明をしないことが、成功への第一歩ではないかとも思う。
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