2004年01月06日(火) |
ちょっと早いけど秋の話題 |
「 やるべきことはやる。自分がどうなろうとも、いかなる障害、危険、圧力が
あろうとも。これは人間道徳の基本である 」
: ジョン・F・ケネディ ( アメリカ第三十五代大統領 )
A man does what he must - in spite of personal consequences, in spite of obstacles and dangers and pressures and that is the basis of all human morality.
: JOHN.F.KENNEDY
今年は、米大統領選挙 ( 11月2日投票 ) の年である。
イラク戦の是非も含め、米国民の審判について、注目が集まるだろう。
イラク情勢が泥沼化し、一時はブッシュ大統領の再選は絶望視された感もあったが、ここにきて形勢は逆転、再選ムードが高まりつつある。
米経済回復の加速、フセインの拘束、リビアの最高指導者カダフィ大佐の大量破壊兵器廃棄表明などで支持率が上昇したことが、大きな要因だ。
ブッシュ陣営 ( 共和党 ) に対抗する民主党の中にも、イラク戦争の是非については容認する者もいて、その政策が最大の焦点とも言い難い。
むしろ多くの国民が関心を寄せているのは経済政策で、今後の景気動向が、実際の投票に影響する可能性のほうが大きいようだ。
現政権としては、どうしても景気を回復させるべく、昨年から追加減税や、超低金利などの策を用いて、個人消費を刺激する試みを続けている。
ブッシュ政権の 「 やり方 」 について批判が多いのは、「 単独行動主義 」 と呼ばれる部分で、民主党陣営は国際協調主義への転換を唱えている。
強硬策は対テロ戦だけにとどまらず、北朝鮮の核開発問題や、あるいは、通商上の問題にも当てはまる。
財政赤字が史上最悪の規模に達した今、新たな施策としては輸入を制限し、通商保護主義によって国内産業を支援するぐらいしかない。
この点については民主党も似たり寄ったりの考え方で、大統領選に向けてアメリカが急速な景気拡大策をとれば、世界経済に大きな波紋を及ぼす。
マスコミは、派手な戦争ばかりをクローズアップして報道するが、アメリカが世界に与える影響というものは、我々の日常的な生活にも関連が深い。
歴代のアメリカ大統領の演説には、正義 [ justice ] とか、道徳 [ moral ] という言葉が多用される。
赴任時に、たまたま戦争の渦中にいるか、比較的平穏な時期にあるのかの違いによって受ける印象が違うだけで、発言の中身はそう変わらない。
海外との摩擦を和らげ、国民の支持を得るための手法は、時代を超越して普遍的なものであり、その根底には当然の如く 「 利害 」 が存在する。
日本人の多くは、正義や道徳などの美辞麗句に惑わされることなく、日本とアメリカの利害が相容れるかどうかにこそ、関心を持っているはずだ。
ならば、大統領や首相の言葉尻をとって、「 ああ言った、こう言った 」 などと揶揄する人たちは、ちょっと幼すぎるような気がする。
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