Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2004年01月03日(土) 部屋と掃除婦と私


「 どんなことでも小さな仕事に分ければ、特に難しいことはない 」

                  : ヘンリー・フォード ( アメリカの自動車王 )

Nothing is particularly hard if you divide it into small jobs.

                                : HENRY FORD



元旦早々に掃除をすると、「 福 」 が去るという言い伝えがある。

初風呂も2日が慣わしで、掃除や風呂は大晦日に済ましておくものだ。


独身男の部屋だからといっても、清掃は完璧でなければならない。

綺麗になった部屋で、一年の戦略を練ったり、大挙して押し寄せてきそうな酔客を迎える準備をしなければならないのである。

そこで、1月2日に 「 新春大掃除大会 」 を賑々しく開催した。

これはあくまでも 「 新春大掃除 」 である。

けして、年末の大掃除を途中で諦めたとか、やりかけたまま嫌になって読書にふけっていたことが理由ではない・・・と、自分には言い聞かせている。


掃除やら後片付けというものは、溜め込むとけっこう大仕事になる。

年末にある程度、捨てるものは処分したのだが、残した物の整理ができていないので、書籍などが未だに山積みとなっている。

山積みとはいっても、現在、私の視界には何も散らかっていない。

我が家には使用していない空き部屋があり、そこを物置代わりにしているので、その中に何もかもが押し込められているのである。

つまり、こうしてパソコンのキーを叩いている 「 書斎兼寝室 」 から、生活に必要最低限の品物以外を、隣りの部屋に移動しただけのことだ。


そういうわけなので、この空間にいるかぎり ( 隣りのドアを開けなければ ) 快適な環境とも思えるのだが、やはり気になるものである。

それに、放っておくとまた物が増えてしまうし、いつかは片付けなければならないのだから、この際に整理しておいたほうが良いに決まっている。

書籍類も、ビジネス書、小説などのジャンルに区分し、版の大きさや厚みなどを考慮しながら、棚に並べていった。

けっこう時間も掛かったが、「 今日はこれだけやろう 」 とか、各パート毎に分けて取り組めば、それほど煩わしい作業でもない。

つまりは、「 日頃から少しづつ片付ける 」 という習慣を励行していれば何の問題もないのだが、三日経てば苦労を忘れるところが、困ったものである。


こういう場合に、「 奥さん 」 という存在が居れば、状況が違うだろうか。

親切な人なら、自分の代わりに片付けてくれるかもしれない。

しかし、中には勝手に片付けられると困ってしまうモノもあるだろうし、自分で片付けるのと違って、どこに収納したのか瞬時に判別できないだろう。

逆に、自分と同じか、それ以上に怠惰な人であれば、片付けることなど期待できないし、同居人が増えた分だけ、かえって荷物が増える結果になる。

それでは、ちょいと最悪である。


親切で、几帳面で、なおかつ 「 私にとって、何が必要なのか解る人 」 ならば、何も問題はないだろうか。

というか、「 奥さん 」 という存在が側に居れば、好き放題に散らかすという生活習慣そのものが、自主的に改善されるものかもしれない。

整理整頓という見地からみれば、たしかにそれは望ましいことだけれども、この 「 好き放題に散らかす 」 という習慣も、全て失うと淋しい気がする。

それは怠惰で背徳的な快楽なのだろうが、「 奥さん 」 に諌められたり、「 私は掃除婦じゃないのよ! 」 などと怒られるのも辛いように思う。

好きで結婚したのに、そんなことで諍いになったり、気まずい思いをするのは、どうにも悲しい話だが、世間には 「 よくあること 」 だと聞いている。


また、私の部屋を見て、「 綺麗にしている 」 という人もいれば、人によって 「 散らかっている 」 と評価されることもある。

あるいは、「 綺麗にしている 」 と答えた人も、「 独身男にしては 」 といった注釈が割愛されているのかもしれない。

自分では綺麗にしているつもりでも、潔癖症な人からみれば違う評価を下すかもしれないし、そのあたりは難しいところであろう。

他人と同じ空間を共有する場合、それが 「 独りよがり 」 ではトラブルやら不仲の原因になることもあるだろうし、けっこう重要な問題である。

掃除や整理整頓だけを考えても、長く同居するには気を遣うものだ。


結婚とは 「 縁 ( えん ) のもの 」 と答えるようにしているが、実際のところは、ちょっと違うかもしれない。

他人に気を遣い続けるのが苦手な人や、好きな相手に怠惰な部分を見せたくない人などは、心理的に躊躇する要素も含まれている。

今まで大病を患ったこともなく、比較的に健康でハッピーな暮らしを続けてきたように思うので、あまり独り身を 「 心細い 」 と感じたこともない。

周囲にいる多くの人は 「 奥さん 」 というものを勧めようとするのだが、片方で彼らは、「 独身は気楽でいいよね 」 みたいなことも言う。

年とともに 「 今さらねェ 」 という気もするし、部屋の掃除一つとってみても、ちょっと躊躇してしまう問題なのである。






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