きっと大切にはできないとおもうんだ。


重ねられた掌に感じるはじめての温もりに

戸惑いを隠せなくて

思わず目をそらしたんだ、たぶん不自然なくらい。



かかってきた電話に出られなくて

かけなおすちぃの姿をみて

「ちぃはきっと好きになるよ」ってさくちゃんが言った。



ぜんぶ知ってるさくちゃん。

あたしのぜんぶ見てきたさくちゃんだから、否定できなかった。



好きになっちゃうかも。どうしよう。



すでに予定のはいったクリスマスの日に誘われて迷っていたら、

返事は待ってるから、だって。

正確に言うと、クリスマスはお仕事だから、

ちぃのお休みの26日、なんだけど。

…行ったらきっと云われることはわかってるから、

だから迷ってしまう。


考えるば考えるほど怖くなるんだ。

なにが?

そんなのあたしにもわかんないよ。

ただ怖くて涙が出てくる。

大切だった人を思い出して胸が苦しくなる。


好きになっっちゃうかもしれない。

そしたらきっと

あたしの中のなにかが忘れられて過去になってしまうんだね。


はじまりにも終わりにも胸が痛むのは

なにもかもあたしの独りよがりなんだろう。

あたしはいつだってあたしだけがかわいいんだっておもう。
2007年12月09日(日)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

My追加