素敵な夜に。


バーカウンターに座ってふたりでお喋りしてたら、
ちょっとワイルド系な店長がアコギで唄いはじめた。
洋楽が大好きなとなりの彼は小声で。


「俺、この曲すげー好きなんだ。
 
 まさに今の俺の気持ち。知ってる?」


それはそれは有名な曲らしかったけど、ちぃは知らなかった。
ただ、わかったのはそれがラブソングだっていうこと。


彼がちぃを誘うときに言ってた“話したいこと”が
ちぃの考えてたこととはぜんぜん違う話しで、
がっかりしたような、でもほっとしたようなそんな気持ちで。

もぉなんにも考えてなかったの。

でもね、云われた。

一度ちぃが席を外して戻ってきたら、急に黙りこんで。
もぉちぃが適当なこと言っても真面目な顔になっちゃって。



それで、

「俺、お前のこと好きなんだよ」って。


そう云われた。



はじめて話した日からね、好きだったんだ、って。
ちぃは、はじめて話した日すら覚えてなかったっていうのに。

まわりの人たちも何人か知ってて、
いつかバレるんじゃないかってヒヤヒヤしてたんだ、って。

「自分から好きになることなんてない」って言ってたのは、
ちぃのこと好きだってちぃに勘付かれないためだった、って。

ホントは何度も云おうとおもってたのに、結局、
今日の今日まで云えなかったなんて情けないよな、って。


そんなことないよ。
半年間近く全く気付かなかったちぃもバカだよ。


「お前の素直な気持ちを聞かせてほしい」

そう言われたけど、なんだか頭のなかが真っ白で。
どこからどう考えたらぃぃんだかわかんないくらい真っ白で。


「正直、ダメならもう会えないとおもう。
 
 俺はお前に会ったら絶対気持ちふっきれないから」


今日でもう会えなくなるのなんて、そんなの嫌だった。
でもまだ友達としてしかやっぱりみれなくって。
だけどもう会えないなんて言われるのも嫌で。


こんなの狡いかな。

だけどね、

傷つけたくなんてない。



あたしには  “好き”  の感情がわかんない。



中途半端な気持ちで一緒にいて、
傷つけることしかできないなんて怖いよ。




『 本当に素敵な夜だった

  だってきみの瞳には 愛の光が宿っていたし

  でもちょっと不思議なのは きみが気付いていないこと

  僕がどんなに きみのことを愛しているか 』




気持ちの重さなんて量れるものじゃないけど、
バランスの悪いシーソーじゃ、笑ってなんていられないね。

2006年04月02日(日)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

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