不確かな約束。


どんなにどんなに抱き締め合っても
どうしても埋められない隙間がいつも在って。

その度に泣くのはあたしの役目で
「なんでもっと早く生まれてこなかったんだよ」
って、祐人くんはその度に繰り返した。




寄り添えなかった心だけ宙ぶらりん。




「大人になったら、ちぃは絶対ぃぃ女になる!」
が口癖の祐人くんと、それに喜ぶ子供なあたし。


だから先は見えてたんだ。はじめからね。


とんだ茶番。


なんて、笑えないよ。そんなの。


どれだけ好きでも、どれだけ好きだと云われても
どうにもならない恋があること知った。


幼すぎたあたし。

大人になりきれなかった祐人くん。


あたしたちの間には色んな問題があった。
人には言えないような、色んなことが。

でも、祐人くんはあたしを大事にしてくれたし、
誰よりも好きでいてくれたし、想っていてくれた。
一緒にいれた時間を、今でも大切におもう。


黒いニットにミニスカート。
足元は黒のサイドリボンブーツ。

初めて2人でデートしたときの服装、まだ覚えてる。
確か、金曜日の夜だったかな。


それからも、たーっくさん2人でいたね。


映画見たいって自分が言ったくせに、
早々と映画に飽きてポップコーン投げてきたり。

無理やりプロレスとか連れてかれたり。

ボーリング嫌いだったけど、
祐人くんに教わって上手になった。

いっつもあたしがお金出すのは嫌がるから、
会計の小銭分だけ、コンビニ代だけ、あたしもち。
祐人くんとのデートのときは、小銭いっぱい用意した。

誰がいても、ずっとあたしを横に座らせて。
2人のときはもっぱら膝の上で。


なにするよりも、ただくっついてるのが大好きな祐人くん。

ほんとは甘えん坊な祐人くん。

寂しがり屋な祐人くん。


大好きだった。
・・・祐人くんがあたしのこと好きな分だけ。


ホントのこと言うとね。
あの人、に、告白する2ヶ月前まで、
祐人くんが転勤になる日まで、祐人くんと一緒だったよ。


今も好きだなんて、もちろん言わない。
正直、会いたい気もするけど。

ただね。おもったの。

祐人くんは、ちゃんと幸せになれるかな、って。

これまでの分まとめて幸せになってほしい。
彼の弱さも、情けなさも、受けとめられる誰かに、
祐人くんは今度こそ出会えたのかな?

そうだといいな。

あたし、が、受けとめてあげられなかった、
いちばんに愛しきれなかった、大好きな祐人くん。

どうか幸せになってください。

迎えにきてくれるのは、来世で待ってるよ。
2005年10月21日(金)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

My追加