新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2003年04月24日(木) 先祖の遺産を忘れた人達

イラクで古代メソポタニア文明の博物館から約6000年前の遺品等を盗んでいる人達とそれを涙ながら嘆く博物館の職員の映像をフランス2で見た。


筆記用粘土版 楔形文字以前メソポタミア南部 ウルク第3期 紀元前4000年紀末
粘土

ドゥル・シャルキン(コルサバード)から出土した翼と人間の顔を持つ巨大な雄牛の像
これらが盗まれた、その日の食を得るためか?フセイン大統領の悪政への怨みからか?

 全く信じられない、今、何故この国に生きているのか?何故イラクなのか?「源遠ければその流れ長し」という世界に誇るべく民族であることを全く忘れ去っているかのようだ。

発掘開始以前のバビロンの想像図 
 
 古代メソポタニア文明、バビロンの血は何所へ行ったのか?その歴史的時間の流れに比べると、イスラム教でさえ新興宗教に思える。
 それに比べ日本でも卑弥呼の時代は新しいのにも係わらず、現在に至るまでその場所さえ想定出来ないでいる。

 イタリアのローマを歩いていると、近代的なブティックと遺跡が混ぜん一体となっていて、アッピア街道では古代ローマ軍の凱旋行進が聞こえてくる錯覚に陥る、古代競技場では「兵どもが夢のあと」を想う。

 戦争とは悲惨で残酷で文明破壊の魔物だとは思うが、現在の国家体制、宗教以前の文明を盗む対象にしてしまう現実が悲しい。


 
 


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