2003年01月22日(水) |
大島渚監督愛のコリーダ |
この映画の音楽作曲が日本音楽集団の創立者でもある三木稔先生で、演奏がShinchanの所属している日本音楽集団なのです。
時は2.26事件の不穏な空気の頃、昭和11年、東京・荒川の待合宿で料亭の主人である石田吉蔵が死体で発見される。当時の愛人であった阿部定が指名手配されるが、数日後あっけなく都内の旅館で逮捕。連行される際に「私がお尋ね者の阿部定です」とにっこり微笑んで手を差し出したエピソードは有名である。 逮捕後の裁判には異様な注目が集まり、定には不思議な同情と人気が集まった。最愛の男、吉蔵とふたりだけの世界を求め続けた定。彼女の気持ちに素直すぎただけの、純粋な女性だった。 愛することというあたりまえの感情が爆発するとき、性愛はどのように姿を現すのか? 「阿部定事件」を題材にした、究極の愛の物語。 愛人を殺害し、男性器を切断し逃亡する女、阿部定の狂気にもにた愛を描く。
この場面では、二十絃箏のソロの曲「芽生え」が流れてました、もーバッチリ合っている、さすが三木先生、演奏は野坂恵子さん。 Shinchanは巴里で、もちろんノーカット版を2回見ました、今でこそセックス描写が本番でノーカットというのは当たり前ですが、あの70年代ではそうとうショッキングだったらしく、猥褻か芸術かを裁判で争ったそうです、今では信じられませんですね。 映画のスチール写真集をわいせつ罪だとして、その出版責任者と大島渚監督を逮捕するという暴挙に出た。最終的に無罪が確定しますが、映画そのものは検閲によりズタズタにされたものが公開されたそうです。 当然Shinchanはその時には日本音楽集団には在籍してませんでした、先輩方の話によると、スタジオで録音が済んでいたのにもかかわらず、何故だか、撮影現場まで何度も行ったそうです。ある女性団員の先輩は「あんなに人が回りにいて、照明も当っているのに、いたすんですよ、俳優さんて、大変、で私藤 竜也の綺麗な大切な物を見ちゃった」なんておっしゃってましたよ。
あの頃は二十絃箏でしたが、今、野坂恵子さんは二十五絃箏を演奏されています、バッハのガボット、グリーンスリーブス、埴生の宿等以前、野坂恵子と二十絃エコールというグループがありましたが、ドビュシーやラベル、サティーの曲を二十絃のアンサンブルで聴くと、それはそれは美しい音でした、もう一度復活さして欲しいと思います。
《愛のコリーダ》と芸術日本 三木 稔 http://www2u.biglobe.ne.jp/~m-miki/jp/messages/199910.html
Australia、Adelaide Festival Centre 映画と音楽というタイトルで1994年, 3月オーストラリア アデレードフェスティバルで「愛のコリーダ」の演奏と作曲家三木稔氏によるその解説が行われました、又Shinchanがプロデュースしたフランスのモンペリエ国際音楽祭とパリ日本文化会館からは「愛のコリーダ」の曲の要望がありました、フランスではかなり評価の高い映画です。
「おまえの好きなことなら何でもやってやるよ」と言い、すべてを受けいれる吉蔵。定の望むこと―、愛液をつけた椎茸を食べさせたり、老芸者を抱けと言ったり、快感が増すからとセックスの最中に首を絞めてみたり・・・何でも許してしまう吉蔵。 印象深いシーンは、床屋から帰る吉蔵が軍隊とすれ違う場面。ただすれ違うだけのシーンだが、国のために死んでいく兵隊たちと、命を懸けて女を愛する吉蔵が見事に対比されていました。
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