新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2002年11月29日(金) Shinchanと第九

Shinchanはおじいちゃんにに連れていかれ、朝比奈隆さんの指揮でベートーベンの第九の練習を大阪の扇町プールのオーケストラ稽古場に着ました。沢山の合唱の人とオーケストラでごったがえしていました。



「じゃー第四楽章のバリトンから行くでー」と朝比奈先生の棒が振り降ろされました。
ティンパニーが激しく叩きます。
(Bariton solo)
O Freunde, nicht diese Töne !
sondern laßt uns angenehmere anstimmen, und freudenvollere.

おじいちゃんは独逸語が解るので、Shinchanに解説します。

おお、友よ! このような調べではない!
そんな調べより、もっと心地よく歌い始めよう、喜びに満ちて。

(Bariton solo)
Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elysium,
Wir betreten feuertrunken, Himmlische, dein Heiligtum!
*Deine Zauber binden wieder, was die Mode streng geteilt;
alle Menshen werden Brüder, wo dein sanfter Flügel weilt.*

(Chorus)
 *−* repeat (バリトン独唱)
歓喜よ、美しき神々の煌めきよ、
エリジウム(楽土)から来た娘よ、
我等は炎のような情熱に酔って
天空の彼方、貴方の聖地に踏み入る!
*貴方の御力により、時の流れで容赦なく分け隔たれたものは、再び一つとなる。
全ての人々は貴方の柔らかな翼のもとで兄弟になる。*

(合唱)
*−*間の繰り返し








「Shin坊、これを作曲した時、ベートーベンはほとんど耳が聞こえへんかったんや」
「・・・みみ?・・・」
「ベートーベンはオーケストラを指揮して終わったのに、お客さんの拍手が聞こえへんかったから、歌の人がベートーベンを客席に向けてあげたんや、そしたら皆立って手たたいて喜んでるのがやっと見えたんやって」
「・・・ふーん・・・」


(Quartet)
Wem grosse Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!
*Ja, wer auch nur eine Seele sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wers nie gekonnt, der stehle weinend sich aus diesem Bund. *

(Chorus)
 *−* repeat (四重唱)
一人の友人を得るという
大きな賭けに成功した者よ、
一人の優しい妻を努めて得た者よ、
その歓びの声を一つに混ぜよ!
*そう、この地球上でただ1人の(一つの心と呼ばれる)者も!
そして、それが出来なかった者は、この集まりから涙を流してひっそりと去る。*

(合唱)
*−*間の繰り返し

Quartet)
Freude trinken alle Wesen
an den Brüsten der Natur,
alle Guten, alle Bösen folgen ihrer Rosenspur.
*Küsse gab sie uns und Reben,
einen Freund, geprüfut im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott! *

(Chorus)
 *−* repeat (四重唱)
全ての生物は、
自然の乳房より歓喜を飲む。
そして、善きもの、悪しきものも全て薔薇(ばら)色の跡を付けていく。
*歓喜は我等に口づけと葡萄(ぶどう)、
そして死の試練にある一人の友を与えた。
官能的な快楽は虫けらに与えられ、
そしてケルブ(智天使)は神の御前に立つ!*

(合唱)
*−*間の繰り返し

 
Shinchanは意味は解りませんでしたが、すごく楽しくなり、たくさんの音と光が照らしているように見えました。

帰りにレコード屋さんに寄ってフルトヴェングラー指揮のベルリンフィル、ベートーベンの第九のレコードをおじいちゃんが買いました。


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