Shinchanは幼稚園で綺麗なピアノの音楽を聴きました。それはいつもおとなしくしているおかっぱ頭のはるちゃんが弾いていたのです。 「はる・・・ちゃん・・・いい音・・・」 「Shinchanもピアノ習ってるんだって?」 「・・・うん・・・なんの・・・きょく?」 「あーこれはね、ベートーベンのエリーゼのための、という曲なの」 「ふーん」
はるちゃんはShinchanのためにもう一度弾きはじめました。 「ミレミレミシレドラ〜・・・Shinchan、弾いてみる?」 「・・エリーゼって・・・だれ?」 「それはベートーベンさのが好きだった女の人なの・・・」 「ふーん、しんたん・・・はるちゃん・・・すき」
Shinchanは楽譜を見て弾くというよりは、はるちゃんの弾いている音を覚えて弾きました、何故かすぐ覚えてしまうのです。 「Shinchan!凄い!・・・なんですぐ弾けるの?ベートーベンみたい!」 「・・・・・」 それを見ていたおじいさんの園長先生がベートーベンの絵本を持ってきてくれました。 「Shinchan、はるちゃん、ベートーベンはちっちゃいとき、お父さんからピアノの弾き方を教わったんや、でもな・・・そのお父さん、怖かったんやって・・・そして大人になって、耳がきこえなくなっても、音楽を作ったんやで・・・」
「せんせ、エリーゼさんは?」 「ほんまはなテレ―ゼさんという名前なんや、ベートーベンはそのテレーゼさんにピアノを教えているうちに、好きになったんやなー、そして結婚して下さいと言うたのやけど、あかんかったんや」
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