Seakの日記
日々感じたことを書き留めていこうと思っています。

2004年09月11日(土) 統計の真実

2004.9.16

統計でウソをつくのは比較的たやすい。統計は数値で物事を表現するから客観的であると思われやすいからだ。しかし、実際にはその統計を扱う者によって、いくらでも恣意的に扱うことが可能なのだ。

僕が最近聞いた例では、大相撲の意識調査というのがある。つい最近の調査によると、女性が土俵に上がるのを禁止するのはおかしいとする意見が、伝統に従って禁止すべきだとの意見を上回ったそうだ。だから、相撲協会の見解はおかしいと言った意見が聞かれた。ここで、いくつかのことを考えなければならない。

まず、どういった人を対象に行われた調査なのか。男なのか女なのか、相撲ファンなのかそうでないのか、そもそも日本人なのかどうか。見るべき点はたくさんある。そして、どういった対象を選ぶべきなのかは一概に言えない。ここですでに、調査者の主観が入る余地があるのだ。なぜ一概に言えないのかはあとで示す。

次に、統計結果に対する解釈も問題だ。意識調査によって多数派が分かったとして、それが本当に正しいのかどうか。単に多くの人が支持しているだけで、それが正しいかどうかは分からない。例えば、増税について調査をしたら多くの人は反対するだろうが、それでも必要な場合はあるかもしれないのだ。

このような問題点を解決するために重要なのは、目的だ。統計を取る目的が何なのかはっきりしていれば、調査対象もその目的に合わせて考えることができる。日本人の相撲に対する意識調査であれば、外国で調査するのはおかしい。日本で調査すべきだ。また、男女の区別はすべきではない。相撲ファンかどうかも無作為にするべきだ。しかしこれが、女性に対する女性差別に関する意識調査ということであれば、当然対象者は女性のみでなければならないだろう。目的によって調査対象は変わりうるし、当然のことながら結果も変わる。

なんだか当たり前のことを言っているような気もするが、目的のないデータだけの統計が多いような気がするのだ。その際、具体的な調査手法も調査対象もあいまいだったりする。これでは統計の信頼性が分からない。考察対象になり得ないのだ。


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