Seakの日記
日々感じたことを書き留めていこうと思っています。

2003年05月15日(木) 二人きりの時間

2003.05.16 (Fri) 0:32:03

今日は、11時頃からずっと研究室にいた。と言っても、ボーっとしていたり人の手伝いをしたりで、自分のことはほとんど何もしていないのだが。

14時くらいまでは男の同級生と女の同級生が一人ずつ来ていて、僕を含めて計3人いた。しかし、その男の方が帰ってしまって、二人きりになってしまった。PCくらいしかない研究室。本来、向かいには技官の人がいるはずなのだが、少なくともこの日は来ていなかった。他の研究室まではかなりの距離がある。50メートル近くあるのではないだろうか。まあ、その部屋は2階なので、1階までだったらもっと近いが。とにかく、周囲に人の気配すらなく、鉄の扉で完全に閉め切られた研究室に二人きりでいて、僕はひどく緊張してしまった。…が、どうやらそれは僕だけだったらしく、その同級生は、僕が見る限りではなんのためらいも感じさせなかった。そういう状況になれているのか、それとも鈍いのか、あるいは、そもそもそんなことでいちいち緊張したりする方がおかしいのか…。こう言ってしまっては語弊がありそうだが、僕が魔がさして何かをしようとしたら、止められる人はいないような状況だったのだ。…そんなこと、いちいち気にしないものなのかな。これが彼女だったらどうだったんだろう、と思ってしまった。

13時頃、僕は食事をするために研究室を離れた。そのときに、どういう経緯だったのか忘れてしまったが、その人も着いてきた。で、コーヒーをおごった…。どうもそれが目的だったように見えなくもなかったが…。そのあと、その人はもう食事をしていたので、僕だけ固焼きそばを買って食べた。その人のお薦めだ。実は一昨日も食べたのだが、今度は時間が遅かったためか、作りたてでかなりおいしかった。ちょっとラッキーだったかもしれない。

で、結局、そのときからずっと一緒だったわけだから、ほとんど半日一緒にいたわけだ。講義のあるときは、それほど仲がいいわけでもない人と半日もずっと一緒にいるなんてあり得なかった。研究室が違う人とは本当に縁がないが、逆に研究室が同じだと、これだけ長い時間一緒にいることになるわけだ。…彼女と一緒なら、と、また、意味のないことを考えてしまう。しかしまあ、半日一緒にいただけで、この人、俺のことが好きだったりして…。などとふざけた妄想を抱くくらいだから、あんまり近くにいない方がいいのかもしれない。もうちょっとつきあいが長くなったら、そういうことも万一としてあり得るかもしれないが、まあ、今はあり得ないことだろう。間違っても、勝手に勘違いして迷惑をかけるようなことはしないように…。

ただ、この同級生に限ったことではないが、大学に入ってから、周りの人の距離感に、かなり戸惑っている。高校の頃は、話すと言っても、露骨に他人に対する話し方だった。しかし、今はほとんどの人から強い親愛の情を感じる。僕は相当鈍い方だが、それでも明らかに感じる。距離感を置いて話すような人も少しはいるが、そういう人に対して、かえって違和感を感じてしまうほどだ。置かれている立場と見る目の違いかな…。高校の頃は、僕は本当にパッとしなかった。それに対して、その頃とそう変わってはいないが、相対的に学力で上の方に来た。…要するに、高校の仲間の中ではかなりランクの低い大学に入ったということだが。上から見て4分の3くらいの位置にいたのが、5分の1くらいまで上がったのだから、だいぶ変わった。あと、前の方に座らないと字が見づらかったり講義に集中できなかったりするので、いつも前の方に座っていた。それで今までよりも目立つようになったのだろう。で、なんとなく優等生っぽく見られるようになったのではないか。まあ、こんな分析をしてもしょうがないのかもしれないが。

ちなみに、優等生っぽいイメージは持たれているようだが、僕は優等生ではない。なんと言っても、ちっとも努力をしていないからだ。前から何度か書いているが、ほとんどの試験で、僕が勉強なんてろくにしていない。普段の講義を聞いておいて、日記に書いたりしてある程度その内容を整理する程度だ。だが、こんな日記でも、何もしていないのと比べれば雲泥の差だ。いざ論述をする段になって、ブルーバックスを読みまくり、よく分からない日記を書きまくっている成果が発揮される。そこそこ科学的な記述に慣れているために、高校までどころか、大学に入っても論述の訓練などしたことがない学生の中では、文章で優位性を示せるわけだ。そして、講義の内容をある程度覚えているので、それをうまく示せばいい。大抵の試験では、講義で扱った内容をすべて覚えていることなど要求されないので、ある程度覚えていて、それと自分の意見を織り交ぜて示せれば優はもらえるわけだ。と言っても、もちろんこれはちゃんと理解しているわけではない。いわば、他の学生と比べれば相対的にマシな文章力で点数を稼いでいるに過ぎない。内容を深く理解しているわけではないのだ。まあ、たまたま理解できた話はあるが、体系的にまとめて理解できた講義となると、そう多くはない。

だがこれは、僕にとっては単に簡単に単位が取れて嬉しいという話だが、十分に優秀な学生にとっては大きな意味を持つ。だいたい、優秀な学生というのは、講義で話される程度の内容では飽き足らないものだろう。とはいえ、大学に所属している以上、単位は取らなければならない。だが、このような状況であれば、講義だけ聞いていれば、あとは適当な考察を示すことで単位を得られる。それ以外のことに手を出す余裕が十分にあるわけだ。この時間を利用して、どれだけの学生が多くのことを学んだのだろう。アメリカ式の卒業しにくい大学では難しいことだ。良いと評価されていても、必ずしも良いことばかりではないということだ。だいたい、世界の先端を行くような技術は、講義では身に付かないだろう。マニアがひたすら時間をかけて没頭することで身につけるものだ。

そうそう。見たくはなかったのだが、父が見ていたので仕方なく、ワイドショーを見ていた。そうしたら、座礁した外国船を指して有事などと言っていた。…日本は平和な国だ。政府が戦争の危機に備えて方策を練っているこの時期に、外国船が座礁した程度のことを有事などと言っていられるのだから。正直、今の有事法制には賛成しかねるし、備えれば憂いが生ずるという意見には一理あると思うが、それにしてもこの平和ボケはいかがなものだろうか…。大学にいると、教授というのはすごい人なのだと実感できるが、ワイドショーなどを見ると、教授を含めた有識者というのはなんて頭が悪いのだろう、と思わされる。まあ、これは視聴者がこのレベルだと判断し、そういうコメントで構成されている番組が問題なのだが。視聴者は、自分がそれほどまでに低いレベルだと認識されているということに気づき、このような番組を見ないようにすべきだ。情報としての質が低すぎるし、何より、視聴者をバカにして作った番組に、見る価値があるとは思えない。批判が絶えないのにいつまでたってもなくならない原因はただ一つ。多くの人が見るからだ。まさか、本当に視聴者のレベルが、ワイドショーの作成者が考えるほど低い、などということはあり得まい。

2003.05.16 (Fri) 1:25:36


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