2003.05.14 (Wed) 20:30:30
宗教と民族
新聞を読んだら、日本には宗教と民族の問題がないと書かれていた。まったく、幸運なことだ。この問題がなかったことで、どれだけの悲劇が避けられたのだろう。どちらにも功罪があるのだろうが、どう見ても罪の方が多い気がする。僕の知り合いには、圧倒的に無宗教の人間が多い。宗教者に話を聞いてみたいものだが、残念なことに、普通に話をする人の中に、まともに宗教を信じている人など一人もいない。だが、科学の世界である大学にいる人間なら、それでいいのではないだろうか。例え大学がキリスト教の教えを体系化するために設立された施設だとしても、それは遠い昔の話であって、現代とはほとんど関わりのないことだ。
で、宗教はまだ理解ができる。全知全能の神に救いを求めるのは、人間としてごく自然な発想だろう。しかし、民族の問題は本当に理解できない。顔つきが似ていたり、肌の色が同じだからと言って、なぜ連帯感を持てるのだろう。はっきり言って、逆は理解できなくもない。自分と異質なものを避けようとするのは、ある程度仕方のないことだろう。もちろん、それを乗り越えるための努力は必須だ。優生学のことについても書いたが、自分たちの民族が優れていて、他が劣っているとでも言うのだろうか。これだけ様々な人種がいれば、何か1つにおいて優れている人種があったとしても、全体として優れている人種など、存在し得ないだろう。また、たった一人でも全神経を集中して仕事をできるような素質を持った人と、多くの人間と協調性を持ってつきあい、全体として大きな仕事ができる人は、どちらも非常な価値がある。だが、この両方の資質は両立できないものではないだろうか。人類には多様性が必須なのだ。なのになぜ、他を拒絶するのか。
人知れず病に苦しむ人たち
今日は、普段話をしない人と話をすることができた。今後もなかなか話す機会などないだろう。そういう意味でかなり嬉しかったし、貴重な体験だった。印象に残ったのは、病気の話だった。割と偏見を持たれるタイプの病気だったのだが、それをよく話してくれたものだ。初めは少し躊躇していたようだったが。僕ともう一人友人がいたのだが、二人とも信頼されたのだろうか。日頃割と脳天気な雰囲気だったので、とてもそんな病気に悩まされているとは気づかなかった。
あとは、いろいろな人と話すたびに聞ける、僕の意外ないい評価…。もちろん、本人の前で悪口を言うとは思えないが、根も葉もないことで誉めてくれることはないだろう。ちなみに、その内容は「意外と話しやすい」ということだったのだが。よくよく考えてみると、誉められているのかけなされているのかよく分からない。まあ、中分けの髪にメガネをかけ手前の方に座って、理屈っぽいことを延々と語っていれば、話しにくそうという印象を持たれても不思議ではないが…。ただ、自分でこう言うのも変かもしれないが、僕は割とくったくのない方だ。細かいことは気にしない。まあ、限度を越えて気にしないために、完全に忘れ去ってしまうことも少なくないのだが…。細かくないことも気にしないという良くない性癖もある。まあ、だから、細かいことでいちいち言われると思って僕と話すと、確かに意外な印象を受けることもあるだろう。ただ、僕は少々どころでなくオーバーアクションの傾向があるので、その辺でどういう印象を持たれているのかが問題だが…。普通、よほどのことがない限りのけぞって笑うなんてことをしないと思うのだが、僕の場合は日常茶飯事だ…。
まあ、僕の評価はともかくとして、くったくがないという意味では僕の上を行くような明るそうな人が、病気で苦しんでいるというのを知って、かなり意外に思った。みんな、それぞれ悩みを抱えて生きているんだというのが実感として迫ってくるような気がした。もう長いから…、などと言っていたが、長ければ大丈夫というものではないだろう。深刻な症状を笑いながら語れるその強さに、僕は心の中で舌を巻いた。
やはり、人はそれぞれ、見ただけでは伺い知ることもできないようなことを抱えているものだ。僕もやはり、他の人から見たらそうなのだろう。基本的に自分のことはストレートに表現しているつもりだが、それでも、話したこともなければ分からないだろうし、ストレートなつもりでも、相手には伝わっていないかもしれない。
2003.05.14 (Wed) 20:56:07