Seakの日記
日々感じたことを書き留めていこうと思っています。

2002年12月23日(月) 夢見る瞳

2002/12/27 (Fri.) 16:01 2828字147行
今日の話は…。
よくもまあ、こんなことが僕の頭から出てきたものだ…。

それは、夢見る瞳。
幸せの絶頂にあり、他に望むものなどなにもない、という目。
僕は、人の目からその感情を読みとるのは、極端に苦手だ。
最近、相手には悪いのだが、
人の目を見て話を聞くことを心がけている。
そんなの当たり前だと思うかも知れないが、
そうではなく、ジッと見るのだ。
相手の目から、相手の考え、感情、
その他を読みとろうとしているのだ。
まったくできないのだが…。

しかし、それは見た瞬間に、はっきりと分かった。
女性だったのだが、その人はそのとき、
隣に立っている男性に陶酔し、
彼女にとっての世界は、その人だけだった。
電車の中だったのだが、
彼女にとって、そんなことは何の意味もなかった。
普通、カップルが電車の中にいると
非常識な人たちだとかなんだとか思うのだが、
そんなレベルではなかった。
常識だとか何だとかでとらえられる目ではなかった。
輝く瞳という、少女漫画で使われるような表現が、もっとも適切だろう。

彼女は、自分では気づいていないかも知れないが、
今、自分は幸せだと、幸福の絶頂にあるのだと、
力一杯、その目から発していた。
そのすべては隣にいる男性に向けられていたのだが、
反対側から見ていた僕にも、それははっきりと分かった。
チラッと見ただけだが、ずっと見ていても、
彼女は気づかなかったに違いない。
その目は、僕の鈍さなど簡単にうち破るだけの強さで、
その意志を示していた。
強い意志を持った人間の目は、見れば分かると言う。
その意志が恋であっても、例外ではないようだ。
そのとき、相手の男性は、それに気づいていないようだった。
それだけの想いに気付かないなんて、
なんて不幸なのだろう、と思ってしまったが。
分からない。その男性の方は、
ただ表に出さなかっただけかも知れない…。

もちろん、彼女が本当に幸せかどうかなんて言いきれない。
僕の勘違いかも知れないのだ。
ただ、そう思ったのだ。

そこで、ふと思った。
僕は、そんな目で見られることがあるのだろうか?
羨望と、憧憬と、そしてなによりも、「あなたが好きだ」という強い意志の瞳。
話していて楽しい、という目で見られたことはある。
私はあなたに、話をしたいのだと。
それだって、僕には分不相応と思うくらい嬉しかった。
まあ、相手は誰でもよかったのかも知れないが、
そのときの彼女には、たまたま僕しかいなかったのだ。

前の日記と同じく、
これも音楽を聴きながら書いている。
で、モーニング娘の曲が出てきた。
“I wish”だ。曲名から考えて、
間違いなく、Luna Seaの曲と間違えたものだ。
それで思ったのだが、この人たち、
意外ときれいな声をしている。
テレビで見ると、頭の悪そうな外観の印象があまりに強く、
曲をまともに聴こうなどという気にはならないのだが、
先入観なく聴くと、それほど悪くはないような気もする。
ま、欲しいとも思わないし、
他の人よりうまいかと言われれば、決してそうは思わないが。
どうでもいいのだが、この人たちの歌詞は、
すべて、Positive Thinkingの固まりのようになっている。
要するにプラス思考だ。
それがヒットの要因になっているらしいのだが、よく分からない。
少なくとも、そういう狙いではあるらしい。
実際の要因は違うかも知れない。

元の話に戻るが、
そこまで人に愛されることを望むなんて、
所詮、分不相応なのだろう。
僕は、それだけの努力をしていない。
人に好かれることと比べればまだ、自分を高めるための方に、時間を使ってきた。
どっちにしろ、たいしたことはしていないのだが。

あとはもう、そこまで人を愛することができるか…。
彼女に対する僕の思いは、
どうやら、ただの勘違いだったらしい。
別の人に対する憧憬が、食い違って彼女に向けられたのだ。
ただ、その経歴が似ていただけ…。
考えも性格も、まったく似ていないのに、
僕は、彼女をその憧れの人のコピーだと思ったのだ。

そう思っても捨てきれない部分はあるが、
希望は、持つだけムダだと悟った。
彼女が僕に向けていたと思っていた好意は、
誰でもが、誰もに向ける程度のものだったのだ。
ただ、僕にそういう経験が少なすぎただけの話だ。
ゼミでも、教室でも、誰でもが、
僕にそれだけの好意を示してくれた。
彼女の意志はなにも特別なものではなく、
他の誰もが、持ちうる程度のものだったのだ。
ただ、僕がこの人生で今まで、
それだけの好意を示されたことがなかっただけだ。
つまり、誰でもが受けている程度の好意を示されたことがなかった。

相手は僕でなくても誰でも構わない。
ただ、僕に悪意を持っていないだけ。
ほぼ中性で、義務的に示している好意。
それを勘違いするほど、僕はこれまで、
好意に慣れていなかったのだ。
そのときの存在価値など、微々たるものだ。
たまたま、必要な知識を僕が持っていた。
たまたま、話す相手が僕しかいなかった。
…他の誰でもいいが、そのときその場所に、僕しかいなかった。
ただ、それだけ。
彼女もそうだ。
他にもっと優先すべき人間などいくらでもいるが、
たまたまその人たちがそこにいない。
なおかつ、僕が話しかけた。
相手をしないわけにはいかない。
話しかけてきた相手に返事をするのは義務であって、
それ以上ではない。
別に、たいした悪意はない。
話していて、それほど不快なわけでもない。
それだけ。
たぶん、僕の好意を不快には思っていない。
だから、ないよりマシなのだろう。

時々僕は、
駅を歩く人々を、意味もなく斬り刻みたくなる。
大きな大きな剣で、叩きつぶしてやりたくなる。
彼女の不幸を願い、
その不幸の原因を叩きつぶしてやる。
彼女に感謝される必要はないが、
彼女の不幸を救いたくなる。
自分の力は微々たるもので、なにもできないことなど分かっているのに、
それを、何度となく願う。
それが現実になれば、僕は自省の念に狂いそうになるだろうと分かっているのに。
ただ、狂いそうになっても、狂いはしないだろうことも分かっている。
その程度なのだ。

空に暗雲が立ちこめてきた。
まだ17時だというのに、空はひどく暗い。
自分が死ぬこと、それがこの世界に対して、
僕にできる最高のことではないかと思う。
そうだ。それが最高だ。
しかし、そんなことなどできやしないことは分かりすぎるほど分かっている。
今は、すべてが僕を認めてくれる。
僕が生きていることを認めてくれる。
僕の死を願うものは、僕の知る限り存在しない。
しかし、未来はどうだ…?
歩むべき道を失い、命を繋ぐことすら危うくなったとき、
僕を認めるものなど、存在しなくなる。
そうなれば、もう僕に一片の価値も残らない。
僕にしかできないことなど、なにもない。
僕でなければならないことなど、なにもないのだ。
僕にしかできないことなんて、この日記くらいじゃないだろうか。
僕の意志を記す。
それは、人の意志が分からない現代、僕にしかできないことだ。

2002/12/27 16:54


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