Seakの日記
日々感じたことを書き留めていこうと思っています。

2002年07月09日(火) 詐欺に秘められた真実

2002/7/9 22:40
今日の行きと帰りは、Blue Backsの詐欺についての本を読んだ。
正確な題名は忘れたが、とにかく新聞記者の人が書いたらしい。
科学者が書くことの多いBlue Backsとしては珍しい気がする。

この本、目から鱗である。
元々、人をだますというのは非常に興味のある分野だ。
基本的に、だまされるというのは、詐欺師が想像もしない点を
うまく利用しているからなのだと考えられる。
と言うことは、人をだますことを知れば、
人が考えない発想法を得られるかも知れないのだ。

この本によると、世の中は善意で成り立っているそうだ。
そして、社会システムを構成するほとんどすべての人は、
無意識のうちに善意に則って行動している。
平たく言えば、マナーとかエチケットとかいわれるやつだ。
もちろん、それだけではないが。
とにかく、膨大な情報を処理しなければならない現代人は、
そのほとんどの情報処理を、自動的に感覚的、習慣的に行っているのが現状だ、というのが著者の主張だ。

この社会システムは、そのほとんどの部分が、
構成員の善意を前提として設計されている。
なるべく悪意の入り込む余地のないよう設計されてはいるが、
詐欺や恐喝という犯罪はそもそも認知されてから日が浅い。
そのため、システムとして詐欺や恐喝を防ぐ姿勢は十分でない。
だから、悪意を持つものが、その悪意をうまく隠して
陰に隠れて人をだまそうとすると、人はころっと騙されるのだ。

自分は騙されない、と思っているだろう。
しかし、多種多様な事例を示されると、
騙されていようがいまいがどうしようもない事例や、
これだったら騙されるかも知れない、という事例がいろいろある。
客という立場を利用したり、権威を利用したり、
詐欺師が利用するものは様々だ。
巧妙な詐欺師になると、夢や希望も利用する。
上にも記しているように、社会システムの欠陥も利用する。

これを見る限り、人間の心を揺さぶることなど簡単だ。
自分だって普段からやっていることも含まれている。
相手の善意につけ込む、相手の好意を利用する、などだ。

簡単なところを挙げると、誰かに簡単なことを依頼する。
本屋で「…という本を知りませんか?」くらいのことでもいいらしい。
それでもし、相手が探してくれた場合、
相手はその依頼者に対して好意を持つ。
本来は関係ないのに、その人のために自分が働いたことから、
自分はその人に対して好意があると思いこむのだ。
それは、そうすることで今まで社会生活を円滑に送ってきたからだ。
このように、無意識のうちに行っている様々なことを、詐欺師は利用する。
自分では気づかないうちに起こる心の変化を、巧妙に利用するのだ。
ここに、結婚詐欺という詐欺が成立する要素がある。
自分だったら騙されない、という主張はムダである。
この本を読む限り、そういう人間ほど騙されやすい。
もちろん、日々遭遇するあらゆる選択の場面で、
すべての可能性を吟味して、将来の予測を行い、
自分の能力を限界まで駆使して最善の道を選び取り続けているのであれば別だ。
しかし、「東京行き」という案内表示があれば、
ほとんどの人は迷いなくその電車に乗るだろう。
それは、その方が正しいのだ。
「東京行き」の電車が東京に行かないことなどまずあり得ないのだから、
そのような可能性を吟味して将来予測をするくらいなら、
他のことを考えた方が有意義だろう。

このような常識にとらわれて、
多くの人は物事をいちいち疑わない。
疑うことを汚点とする風潮もあるくらいである。
「疑り深い」という表現がそれを象徴している。
他人に対して一度でも「疑り深い」と思ったことのある人は、
騙される要素があると考えていいのではないかと、僕は思う。
他人に対して「疑り深い」と思ったその要素を
自分は疑っていないということだからだ。

昨日、彼女がADSLを導入したらしい。
僕は、その話をほとんど右から左に聞き流していた。
ずっと彼女のことを気にしていたのに、情けないことだ。
ずっと彼女のことを気にしていたのに、その肝心な彼女の言葉が
十分に耳に入っていなかったのだ。
PCの話になると興奮しすぎる傾向があるから自分から話すのは避けよう、と思っていたのだが、
それが彼女から話しかけられたPCの話題をも避ける結果になってしまったらしい。
本当に情けないことだ。
これで、自分は人の話を聞けるつもりでいたのだから
自意識過剰も甚だしいものがある。

自分のことは置いておこう。
自分の疑問も置いておこう。
とりあえず彼女は、放っておいてもこちらから話を振れば
いろいろと話してくれるのだ。
それを聞くことだけに専念しているだけでも、そのうちいろいろと分かることもあるだろう。

ついでに言うと、僕は今、
風邪を引いてしまって声がつぶれてしまっている。
むやみにしゃべるといつまで経ってもこのまま、という可能性もある。
だから、そういう意味でもあまりしゃべるべきではないのだ。

今日は、この夏初めてクーラーを入れた。
この人工的な冷気が、何とも言えず心地よい。
我が家のクーラーは旧型で、ファジィな温度設定など思いも寄らないのだが、
それでもアナログの温度設定バーを微妙な力加減で調節すると、
ちょうどぴったりの運転を行う。
まあ、冷えるのに多少時間はかかるが、うまく定常状態を維持してくれる。

昨日と比べて特に暑かったわけではない、
というか、昨日の方が暑かったのだが、
今日は弟が勉強をする気にならないというからクーラーを入れたのだ。
僕は32℃の熱気の中、必死にレポートを書いたのに…。
32℃で70%というと、不快指数はどの程度になるのだろう?

さすがに涼しくしただけあって、
今日はよく書けたような気がする。
まあ、睡眠時間が短いので眠いのだが。
ちなみに、今日は本来は家庭教師をやるはずだったのだが、
生徒の方がテストが終わったということで休みを取りたいと言ってきたのだ。
明日も、本来は塾の講師をやるはずだったのだが、
弟がどうしてもお金が欲しいということで交代することになった。

弟は彼女とつきあい始めてから非常に金遣いが荒い。
まあ、仕方のないことなのだが。
それにしても、1000円貸してくれ、というのは、
大学生としてあまりに情けないセリフではないだろうか。
1000円すら持っていないのか、と思ってしまう。
そう言えば、弟は軽自動車税の1000円を未だに払っていない。
確か、4月に払うべき税金である。

2002/7/9 23:17


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