六本木ミニだより
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2002年02月17日(日) 買い物のいいわけ

 訪問者の皆様は、「買い物」をするのは上手でしょうか。「必要」と思ったときに、すっぱりと決断できますか?
 私は、自分を、なんて買い物下手なんだろう、と思っています。というのも、「ここぞ」というときに決断するのが苦手なのです。お店で見て、「これいいな」と思うことは思える。でも、そのとき、必ず、「第2の自己」みたいのが自分をジャマするのですよ。「前のがまだ使えるなあ」とか、「こんなの買ってもすぐ使わなくなるかもしれないなあ」とか、色々な声が聞こえてきます。そして結局タイミングを逃してしまうのです。
 そのくせ、「何かを買いたい欲求」というのは心のどこかにふつふつと蓄積される。そして、どうでもいいときに、どばーっと出てくるのです。かくして、余計なモノを買ってしまうわけです。
 祖母の家に行ってみて、この傾向は、環境遺伝のたまものだということが、よくわかります。彼女はふだん、「私、ポンポン買い物するのは好きじゃないの」なーんていっています。でも、タンスの中を見ると、周囲の人があきれるほど、ゴッソリと下着があります。どうも、「下着なら、いつか使うからムダにならない」と思うと、買ってしまうらしいのです。
 こう書くといかにも年寄りっぽい倹約術に聞こえますが、ぎょっとしたことに、私の買い物の傾向も、この祖母とまったく同じ傾向なのです。いらいらして買い物したいとき、私は無印良品で下着を買っちゃいます。「下着だったら、流行と関係ないし、下着はしゃっきりしていた方がいいし」などと思いながら。で、古い下着は捨てないんですね(笑)。タンスに下着がたまりまくりです。
 買い物がヘタな人間は、「買い物する自分」を許せないのだと思います。心のどこかで、買い物する自分を罰し続けている。だから、私利私欲のままに買うことができないのです。
 そして、こういう傾向を持つ人間は、買い物をするときに、「言い訳」がつくと、自分が買い物するのを許すのが楽になります。「流行と関係ないから、ずっといつまでも使えそうだ」とか、「家族の者も一緒に使うから」とか、「仕事にプラスになりそうだ」とか。

 さて、今回、私に起こった「祖母の介護をサポートする」という出来事。この出来事は、表面的に見ればまるで「他人のために尽くす」ような美談に聞こえるかもしれません。しかし、実は、私の心の奥底に幽閉された私利私欲を満たすために、絶好の言い訳を与えてくれることになりました。
「いい機会だから、買っちゃおうか」。キーワードは、これです。
(この項続く)


石塚とも |MAILHomePage

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