2010年6月1日、舞踏家・大野一雄さんが亡くなられた(享年103歳)。土方巽さん(故人)とともに暗黒舞踏という新たなスタイルを確立し、世界的にも「BUTOH」の名を知らしめた人物だ。最晩年はアルツハイマーを発病、闘病しながらも生涯現役を貫いた。 大野さんの舞踏は二回観たことがある。初めて観たのは、大野さんがおそらく80代の頃だったと思うが、匂い立つような色を感じさせる、強烈な舞台であった。二回目は既にアルツハイマー発病した後のことだったが、踊らずにはいられない、自然と身体が踊り出してしまうとでもいうべきか、初期衝動のようなものを感じたし、その凄味に圧倒されたね。 かつて演劇をやっていた私にとって、大野一雄さんは憧れという以上に、その生きざまも含めて遙か高みに存在するアーティストであった。今はただ、大野さんのご冥福をお祈りするばかりだ。
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