夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2004年03月19日(金) 歌うキネマ

 夕方、仕事を終え、千種文化小劇場に急行。そこで、趙博“歌うキネマ”『風の丘を越えて〜西便制〜』を観た。韓国映画の記念碑的作品『風の丘を越えて〜西便制〜』は、パンソリ(韓国の伝統的な演唱芸能)に生きる家族3人の愛憎の物語が描かれた感動的な映画。その映画を「在日コリアン歌手」・趙博が一人で再現してみせるというのが「歌うキネマ」である。
 これがなかなかよかった。ハンパな芝居なんぞ観るよりはるかに感動的だ。演劇的にはいくらでもあら探しできるのだが、趙の熱い思いが手に取るように感じられ、映画での感動が再び甦ってきた。
 故・マルセ太郎(彼も在日コリアンだった)の話芸「スクリーンのない映画館」を引き継ぐ形で始めたとされる、趙の「歌うキネマ」。これまで『マルコムX』『ホタル』などが演じられたという。趙の、違う作品も観てみたいと思った。

 私も最近、映画の感動を詩の形にして伝えられないものかと挑戦を始めたところだ。表現というものは、自分との対話であると同時に、他者に何事かを伝えようとする行為である。内なる鼓動を<ことば>にのせて他者に向けて発信する行為と言い換えてもいい。それが果たして他者に届く<ことば>であるか否かについて、ライブでの反応をみてみればよい。
 表現とは格闘であり葛藤でもあるが、それが他者の心に何らかの引っかかりを残す時、表現者としての歓びを感ずることができる。ライブはこわい、でも面白くてやめられないのもライブというものなのだ。


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夏撃波 [MAIL]