| 2003年12月28日(日) |
東京観劇旅行・其の3 |
「寺山は偉大だ」の巻
午前、渋谷の「Bunkamuraザ・ミュージアム」へ「棟方志功」展を観に行く。青森が生んだ天才と言えば、太宰治、寺山修司、高橋竹山などがあげられるが、棟方も青森出身の天才「板画」家(棟方は自らを「板極道」と呼んだ)と言うべきだろう。極度の近眼というハンディキャップを持ちながらも、それを微塵も感じさせない作品群。大胆かつ奔放なエネルギーがあふれんばかりの棟方の作品群だが、青森のねぶた絵に通ずるものを感ずる。その一方で、繊細さも感じられ、代表作「釈迦十大弟子」等の作品は深い精神性に彩られている。また、棟方の作品には、「書」を取り入れた板画も多い。宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」を盛り込んだ「不来方板画柵」は、賢治の詩世界と棟方の板画世界とが絶妙なバランスで表現された作品だ。 ほんの短い時間ではあったが、棟方の板画世界に浸ることができた。
渋谷から電車で「新国立劇場・中劇場」へと向かう。一昨日「小劇場」で桃花村舞踊公演を観たばかりだというのに、再び同じ場所に戻ってきてしまった。午後2時開演の万有引力公演「奴碑訓」(寺山修司原作)を観るために、30分前に会場に到着するようにした。開場が1時50分頃だったので、少し待たされたけどね。 開場とともに客席に入ると、舞台上ではすでに寺山ワールドが展開されている。2時過ぎから2時間弱の上演だったが、とても面白かったね。まずは、原作のよさは言うまでもない。それから様々な仕掛けと演出の妙。特に「暗闇」と「火(照明のひとつとしての)」の使い方が見事だった。役者も絶妙なタイミングでよく動いていたよ。 私は一人で勝手に「キダム」の「アングラ版」などと評しているが、サーカスというよりはいかがわしい「見世物」を見せられているかのような、イケナイものを覗き込んでしまったみたいな(後ろめたい思いの一方で言いしれぬ快感を覚えるみたいな)印象を持った。 とにかく面白かったわけだが、この面白さってのは寺山によるところが大きいのではないかとの感想も持った。唐十郎の「状況劇場」を引き継ぐのが「唐組」「新宿梁山泊」だとすれば、寺山の「天井桟敷」を引き継ぐ劇団は「万有引力」ということになろう。その意味でも「万有引力」には大きな期待を抱いている。次回以降観る時にも本当に面白いものを見せてもらえるよう念願したい。
さて、そこから新宿まで出て臨海副都心線で「国際展示場駅」まで移動。ディファ有明で開催される「SAEKI祭り」(格闘技団体「DEEP」によるプロレス・イベント)を観に行く。今回は大阪プロレスのスペル・デルフィンとえべっさんが参戦し大会を大いに盛り上げた。また、しなしさとこ選手(2000年サンボ世界選手権銅メダリスト。「スマックガール」という女子総合格闘技の場でも活躍していた)がきびきびした動きで観客を魅了していた。その他のカードもなかなか見応えがあって面白かった。観客動員数はざっと400程度と見たが、イベントの面白さは大晦日の3大格闘技イベントに劣らなかったのではなかろうか。
この3日間、本当に楽しい「旅」を続けているが、さすがに疲れてきている。しっかりと疲れは取り去っておかなくては。明日は明日で楽しんで、でも明日中には名古屋に戻るゾ〜。
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