「河童塾」公演を観に、今池芸音劇場に行って来た。一昨年に合同公演で共演したメンバーも出演している。そんなよしみもあって観ておこうと思ったわけだ。今回のテーマは、「自然葬」だそうな。簡単に感想を言えば、比較的さわやかに演じられていたように思われたが、一方で「自然葬」というテーマに対する踏み込みがいまひとつ足りないようにも感じられた。この種の芝居は説明的になりすぎると非常につまらなくなるが、一方でテーマの核心部分に十分に触れられていないと観る側としては物足りなさを覚えるものだ。取り上げられたテーマをどう料理するかという点と、それが演劇表現として鑑賞にたえうるかという点が問われると思うのだ。 私の好きな劇団のひとつに「燐光群」がある。彼らの芝居は「ネオ社会派」などと呼ばれることもあるが、社会的テーマがしっかりと料理されており、それを十分に味わえる仕上がりとなっている。私は、いつも彼らの公演を心待ちにしているし、観に行けば毎回なんらかの満足感を得て帰ってくる。彼らに学ぶものは多い。もちろん、単純に「燐光群」の真似をすればいいというものではない。芝居のスタイルは何通りもあるわけだからね。ただ、いかなるスタイルを選択するかは問われてくると思う。 何だかんだと言ってみたが、何を表現したいのか、どうすれば他者に伝えられるのかについて十分に吟味してみる必要はある。そして、それが演劇的表現として成立するかということも。 「河童塾」の方々とは合同公演での共演以来、私たちの公演にも観に来ていただくなど縁もあり、個人的にも好感の持てる人たちだ。だからこそ、いい意味で競争しあい刺激しあっていきたいと願ってもいる。「今回は負けたと思ったよ」「でも必ずリベンジを果たすから」、そんな言葉を言い合える関係になりたいとも思う。その点では率直に言って不十分であったし、もっとがんばれとも言いたい(がんばっていないとは思わないが)。もちろん、脚本・演出の問題もあろうが、役者の身体を通して観客にメッセージが投げかけられていくわけだからね。役者として力量がないわけではないと思うから。 とまあ、他人様のことを言っているようでありながら、私自身の課題でもありえるわけよ。一日も早くまた舞台に立ちたいものだ。
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