| 2002年09月28日(土) |
『ボディ・サイレント』と私 |
人類学者として確固たる社会的地位を築いたロバート・マーフィー氏は、中年期から老年期にさしかかろうとした時期に、脊髄腫瘍のため身体麻痺者として生きることを余儀なくされた。そして、障害をもって生きる過程で、彼は数多くのことを発見する。 彼の著作『ボディ・サイレント』では、いわゆる「障害者問題」の本質にも触れられている。だが、私がこの著作に対して何よりも感動を覚えるのは、彼が自らの障害に向き合い、障害をもって生きるという<宿命>をポジティブに受け入れようとする生きざまに対してである。『ボディ・サイレント』を演劇化することでより深い感動をもたらすことができたならば、それは私にとってこの上ない歓びとなることだろう。
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