今月下旬に奈良に出張することになっている。その出張の合間を縫って、「劇団態変」による大阪城公園野外テント芝居「夏至夜夢まなつのよのゆめ」を観に行くことになった。 「劇団態変」は、主宰・金満里の「身体障害者の障害自体を表現力に転じ、未踏の美を創り出すことができる」という着想に基づき、身障者自身が演出し、演じる劇団として1983年より活動している。 劇団名の「態変」は、言うまでもなく「変態」を逆にしたものであり、そこに身障者に注がれる社会のまなざしに対する態度というか、ある種の決意めいたものが感じられる。 それからまた、身障者に寄り添うように存在する介助者(家族を含む)に対して、世間の人々が何気なく発する「大変ですね」という言葉がある。それは恐らく、(「大変」というイメージでしかとらえられていない)「身障者の介助」というものに対するねぎらいの言葉ととれる。介助者の立場からすれば、確かに「大変」というべき側面がないわけではない。「福祉労働者」たる私も、時々「大変ですね」という言葉を投げかけられる。でも、なぜだか違和感を感じないではいられない。例えば、私と「障害者」Aさんとの関係は、決して「大変」などという言葉で括られるような一面的なものではないと思っている。「大変ですね」と気安く言う人に対して、私は言いたい。「大変」とか言われる「障害者」の身にもなってほしいってね。「大変」という言葉への異議申し立てという意味合いが「態変」のもうひとつの由来ではないかと、私は勝手に思っている。 私は今、東の「障害者プロレス」、西の「劇団態変」の動向を、大いに注目しているところである。
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