| 2002年09月08日(日) |
棘はずっと刺さったまんまだ・番外編 |
愛と憎悪とはコインの裏と表だ 二つの感情は私のなかに同居しており それらは互いに反発しあい しかし同時に引き合う関係でもあるのだ
だから私はいつだって 愛と憎悪とに挟まれて 双方によって引き裂かれようとするのだ
私は演劇を愛する 愛するがゆえに私は演劇する 私は演劇するがゆえに愛する 演劇する私を愛する私
私は演劇を憎悪する 憎悪するがゆえに私は演劇する 私は演劇するがゆえに憎悪する 演劇する私を憎悪する私
演劇を憎悪する私を憎悪する私 演劇を憎悪する私を愛する私 演劇を愛する私を憎悪する私 演劇を愛する私を愛する私
そのいずれもが私なのだ 私は常に変容し その微妙なバランスのうえに 私は立っている
私にとっての演劇とは 私のなかに棲みついた 棘のような存在だ
私のからだの一部となりおおせた棘は 最早抜くことはできないものなのだ それはきっと 私そのものに他ならないのだから
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今日の午後、「ハムレットマシーン」(七ツ寺プロデュース)ワークショップへと出掛けていった(来年1月に「ハムレットマシーン」の公演があるようだが、それには出演しない)。自らが所属する劇団の稽古とは違った雰囲気の場所に身を置いてみることで何かが得られるのではないか、そんな思いをもってワークショップに参加した。 まずはストレッチから入り、「自分の体が今どんな状態にあるのか」を意識してみるためのいくつかのプログラム、またそれを応用して「他者と出会ったときの体や感情の状態」あるいは「そこでの関係のありよう」に目を向けてみる、ということも行われた。そして、最後に「上演不可能なテキスト」(「ハムレットマシーン」)をいかに上演するかについて、テキストの一部分を抜き出してグループ討論を経て実際に演じてみるという作業があった。 最後のほうはやや時間が足りなかったようにも思ったが、所属劇団での稽古とはまた違った緊張感があって面白かった。 ********************
我々の11月公演のほうも手探り状態とはいえ、少しずつ形を作り始めている(それがいつまた壊されないとも限らないが)。セリフ憶えは決してよくない私だが、何とかして憶えるようにしなくては。これから本番まで「生みの苦しみ」を味わうことになろう。そのことを指して、演劇は私にとって「棘」だというのだ。 そうさ、だから、棘はずっと刺さったまんまだ。
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