夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2002年08月04日(日) ボディー・サイレント

 アトリエ開きも終わり、合宿不参加の私が次に取り組むべきは<一人芝居>。今日は、そのために楽器を搬入。題材は決まったものの、構成のところで大いに悩んでいる。
 今回の<一人芝居>のテーマは、「支配ー被支配の関係」。本来であれば、私にとって得意分野ともいうべき領域なのだが、それを演劇的表現にするには時間が足りないというのが率直なところだ。一時期、まだパソコンが普及する前のこと、私は「個人誌」(「火見子」の筆名で)なるものを発行し、そのなかで「『障害者』をめぐる関係」等の文章を書いてもいた。
 今回の<一人芝居>では、そのあたりを盛り込みたいと思い、最初はオリジナル作品を書くことも考えた。でも、ある<作品>(人類学者ロバート・F・マーフィーの著作『ボディー・サイレント』。戯曲でも小説でもなく、人類学の専門書)に出会ってからは、他人の<作品>を私なりに解釈を加えながらオリジナリティーを出せないものかと考えるようになった。ということで、『ボディー・サイレント』やフランツ・カフカ『変身』等々をモチーフに、曽根攻的宇宙・「暗黒のメルヘン」を表現しようと目下奮闘中である。タイトルは「ボディー・サイレント」だ。
 「社会的テーマ」を盛り込みつつも、<演劇>として(あるいは、<音楽>として)鑑賞にたえうる作品を創っていきたい。役者として、作家として、飛躍したいとも思う。だが、今回は何よりも時間との闘いだ。追い詰められた結果は、吉と出るか、凶と出るか。既に、賽は投げられている。


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夏撃波 [MAIL]